プレゼンは、開始3分で結果が決まる【第7回】

プレゼンは、開始3分で結果が決まる【第7回】すごいプレゼン代表 松永俊彦

皆さんこんにちは。すごいプレゼン、代表プレゼンコーチの松永俊彦です。

唐突ですが、皆さんは研修を受ける機会があると思います。
このとき、仮に1時間の研修だとすると、その間ずっと集中していることは可能だと思いますか? どんなに興味のある研修であっても、ずっと人の話を聞くという行為は苦痛でしかありません。相当話がうまく楽しい研修であったとしても、一般的に人が集中できる限界は15分といわれています。テレビドラマでも15分に一度CMが入るのは、こういったことが理由にあるのかもしれません。
研修のプロでも芸能人でもない普通のビジネスパーソンが行うプレゼンであれば、仮に10分間であったとしても後半はほとんどの人が聞いていないと思ったほうが良いと思います。
では、どうすれば少しでも長く、多くの方に興味を持ち続けてもらえるのか? 今日はその答えについてお伝えしていきましょう。
ポイントは、『開始からの3分間』にあります。
次の図をご覧ください。
黒いグラフが、通常の聞き手の興味の推移を表したものです。ご覧いただいてわかる通り、開始直後(オープニング)は興味が高いです。「どんな人が話すのだろう」「どんな話をするのだろう」と、興味を持った状態でプレゼンがスタートします。
そして実際にプレゼンが始まると、次第に興味は低下していきます。そして、最も低くなるのはクロージングです。「早く終わらないかな」「この後予定あるんだけどな」といった、関係のないことを考え始めます。
こうならないためのたったひとつのチャンスが、開始からの3分なのです。
今度は赤いグラフをご覧ください。もし仮に、オープニングで聞き手が持っている興味をさらに高めることができたとします。「えー!その話めっちゃ聞きたい!」「何!?ほんとにそんなことできるの!?」といった興味を持ってもらうことで、赤いグラフのように興味をグッと引き出すことが可能となります。
そして、オープニングで自分に関係のある話であると認識してもらうことで、話の中盤(ボディ)で一番話を聞いてほしいポイントをしっかりと聞いてもらうことができます。クロージングでも再度重要ポイントを振り返ることで、興味を失わせることなくプレゼンを締めくくることが可能となります。
では実際に、オープニングでどのような行動をとればいいのでしょう? ヒントは、「驚き」と「共感」にあります。
①驚き
「現在の年収を100万円増やす方法を教えてくれる人は数多くいます。しかし私は、10倍にすることのできる方法についてお伝えすることができます。これを知ったら、あとは行動するだけ。普段一般の方にお話することはないのですが、もしご興味あればお伝えしようか……どうしよう……ご興味ありますか?」
聞き手の興味を引き出すためには、予想を裏切る驚きを与えるのが効果的です。驚きの作り方はさまざまです。印象的なスライドから開始する、印象的な数字の話から開始する、質問の答えから驚きを作るなど。方法は多数あります。
②共感
「現在皆さんの中には、プレゼンに対する苦手意識を感じている方がいらっしゃるかもしれません。どうですか?プレゼンが苦手だと感じている方、挙手していただけますか?…ありがとうございます。結構多いですよね(笑)。しかし、安心してください。たったひとつのコツを知ることで、今日から皆さんはプレゼンに対する恐怖を持つ必要がなくなります。これから30分間、真剣についてきてください。絶対に損はさせません」
聞き手の興味を引き出すためには、冒頭に質問を投げかけることで、聞き手の課題の解決に向けて必要な話であると感じてもらうのが効果的です。人は自分に関係のある話にしか興味を持ちません。ですから、「皆さんに関係のある話ですよ」という動機づけをしっかりと行ってから本題に入ります。導入での動機づけが失敗すれば、そこから先の本題に対して興味を持って聞いてもらえる確率は圧倒的に低いものとなります。
このように、驚きや共感を引き出すことができるかどうかが、プレゼンの成功失敗を左右する非常に重要な役割を果たします。皆さんのプレゼンの際には、まずは導入の3分間をどのように始めるのか?について徹底的に考え抜いてみてください。
開始3分を制する者はプレゼン全体を制する。
これは紛れもない事実です。皆さんのプレゼンがさらに素晴らしいものになることを、心から願っております。
※当コラムは著書『感動させて→行動させる エモいプレゼン』を基に補筆したものです。
松永俊彦(まつなが としひこ)
すごいプレゼン代表。プレゼンコーチ。塾教師として入社初年度から生徒支持率95%以上という驚異的な成績を誇り、多くの生徒を地域トップ高校をはじめとする難関校合格へと導いた。学力だけにとどまることなく人間力を成長させる指導は生徒、保護者から絶大な支持を得た。その後、教師育成だけにとどまらず、ビジネス領域の一般企業研修、営業指導領域でもHPPMの効果を実証し、セミナーや研修を通じて世の中に輩出したプレゼン生徒数は1500名を超える。著書に『感動させて→行動させる エモいプレゼン』(すばる舎)がある

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