セミナー会場の雰囲気づくりも大切な戦略【スマート会議術第18回】

セミナー会場の雰囲気づくりも大切な戦略【スマート会議術第18回】株式会社Fan's 取締役・企画本部本部長 田中 雄一郎 氏

投資用に特化した不動産事業を展開する株式会社Fan's。投資用ワンルームマンション事業を中心に、積み上げてきたノウハウとAI(人工知能)、ウェブサービスを融合。ITの力を使い、より業務を効率化させる事業を展開し、不動産業界に新風を吹き込む。

Fan'sでは、女性向けのマネーセミナーを毎月約30回開催しているとのこと。なぜあえて女性向けなのか。集客はどのようにしているのか。

今回はセミナーを通してどのように顧客を獲得していくのか、取締役・企画本部 本部長の田中雄一郎氏にお話を伺った。

目次

あえて少数派の女性をターゲットにした理由

――Fan'sではセミナーを数多く開催されていますが、どんなセミナーをどんな集客方法で実施されているのでしょうか。
女性向けの不動産投資のセミナーを中心に開催しています。業界全体でみると8:2の比率で男性のお客さまが圧倒的に多いのですが、あえて女性を狙いました。今でこそ女性向けも増えていますが、始めた当初は女性向けに開催されるセミナーはほとんどありませんでしたので。
やはり女性の方は、興味はあっても男性ばかりの場に参加するのは抵抗があります。会社でも男性同士は株や投資の話をしますが、女性はあまり話をする機会がない。
だから、女性だけが集まる場で、しかもある程度興味をもっている女性が集まる場をつくりたいと思ったのです。そこで参加者同士も、いろいろ情報交換ができればいいと。
――具体的にはどのような施策を打ったのですか。
「不動産投資に興味のある女性が情報交換できる場」ということを意識して、以下の3点を軸に考えました。
1. ターゲットを明確にする
2. ターゲットの課題を洗い出す
3. ターゲットにどう伝えていくか
そのうえで、セミナーのラインナップを増やしていったり、新しいセミナーをつくったりしました。

セミナー参加者を増やす広告の出し方とは?

――あえて2割の女性に絞ったとのことですが、実際に集まるかどうか事前にリサーチをされたのですか。
業界全体では2割ですが、Fan'sの顧客は女性が4割くらいで多かったんです。女性の方もそういう場がないだけで、ニーズの喚起をしっかりできれば、お客さまになるということはわかっていたので。
ただ、そのなかで、いろいろなウェブ広告を試して集客を行ったのですが、うまくいくまでは約8カ月かかりましたね。8カ月くらいして、ようやく欲しいターゲット層が集まるようになりました。最初はなかなか集まらないし、集まってもまったく違うターゲット層だったりして、試行錯誤でしたね。
――うまくいくようになったきっかけは、何が一番大きな理由だったと考えられますか。
広告の出し方ですね。やり始めた頃は、いわゆるお金さえ払えば掲載できる純広告がわりと多かった。でも、他の会社も同じような広告を出すので、1回集まったとしてもすぐに真似されて効果がなくなるんです。
やはり運用型広告を出したほうがいいだろうということになって、運用型を回し出して3カ月ほどして結果が出始めました。

「デジタル? or アナログ?」ではなく、「デジタル and アナログ」

――集客において、運用型広告以外にも何かされていますか。
セミナーは「マネカツ」という名前でやっているのですが、「マネカツ」https://manekatsu.com/の情報サイトも運営しているので、ここを訪れた方の申し込みも増えています。
しかし、メインで使っているのは、Facebook広告になります。運用型広告を長期間利用しているので、データの蓄積が可能になり、他社には真似ができない集客に成功しています。
データを蓄積しているからこそできる広告手法なので、そういうのはどんどんやっていきたいと思います。
――実際にセミナーに足を運ばれた方は、どのように顧客にしていくのですか。
セミナーで個別の相談会まで参加してもらうようにします。あとは営業と一対一で話せる機会になるので、営業がしっかりグリップしてくれます。企画本部の役目は、そこまでどうやって繋いでいくかというところですね。
しっかりとした営業力をもっている会社でなければ、いくら良いパスを出しても点を決めてくれない。だから企画側が良いパスを出せるような環境づくりはすごく意識しています。
前回、不動産業界はまだアナログ的だと言いましたが、かといって「デジタル? or アナログ?」という「or」の選択ではなく、「デジタル and アナログ」という、「and」の選択であるべきなんです。ITの力に頼るといっても、人の力でやれることをなくしていくわけではない。人の力は元々Fan'sの一番の強みでもあるので、そこをしっかり生かしつつITを利用して、より効率化させていきたいと考えています。

女性向けならではの、セミナー会場の雰囲気づくり

――女性向けという点で、会場づくりで工夫されていることはありますか。
セミナールームは床を無垢材にして、カフェのような雰囲気に近づけられるような内装にしたり、インテリアを取り入れたりしています。
あとはお客さまに出すコーヒーや紅茶も、カフェで提供されるようなしっかりとしたカップに入っていて、終わった後にケーキがきれいなお皿に盛られて出てくるとか。そういう女性向けの雰囲気づくりは大事にしていますね。
社内にあるセミナールーム
――今後、セミナーをどのように発展させていきたいと考えていますか。
申し込みリストの数が溜まってきているので、その方たちを集客して他社さんとのタイアップセミナーもどんどんやっていきたいと思っています。
年収もそれなりに高い方が集まっているので、その方たちに何かPRしたい会社さんも多くいると思うので、そういう企業さんと組んで共同でセミナーを開催していきたいと思っています。

文・鈴木涼太
写真・佐坂和也

田中 雄一郎(たなか ゆういちろう)株式会社Fan's
株式会社Fan's 取締役・企画本部本部長。横浜国立大学 教育人間科学部卒業。将来の独立を目指し、営業力を身につけるべく、Fan'sに入社。企画本部の前身となる営業推進部を自ら立ち上げ、新たな集客法を確立。Fan'sに変革を起こすひとり。

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