ファシリテーター(進行役)は、何をすればいいのか?

ファシリテーター(進行役)は、何をすればいいのか?アイデアプラント代表 石井力重

ファシリテーターの仕事を以下に列挙します。ただし、現実問題として、これらの仕事をすべてやることは難しいので、そのときの状況に応じて“重要なことだけをやる”というのでいいでしょう。

◆発言のタイミングがうまくつかめない参加者にそれとなく発言をうながします。

◆否定的な発言が出たときに、たしなめてしまうと場が硬くなります。「〇〇はできない」を受け、「〇〇しなくてもいいように、アイデアをずらすとしたら、どんなアイデアがあり得るだろうか」といった具合に言い換えます。こうすると否定的な発言をしてしまった人も、引きつづき安心して発言できます。

◆みんなからアイデアが出にくくなってきたら、それまでに出てきたアイデア群を俯瞰して、みんなの観点が広がるように、別の切り口を提示します。たとえば、「今まで、〇〇系のアイデアがたくさん出ましたが、ちょっと視点を変えると□□系のアイデアもありそうですよね」などと言ってみます。

◆“参加者が疲れてきたな”と思ったら、適切なタイミングで休憩を入れます。

◆書記役や参加者の書き取りの進捗にも注意を払います。記録が追いついていないときは、テーマに関連しそうな短い雑談をし、追いつく時間を作ります。

なお、ブレストが始まる前に、ファシリテーターが考慮する点として会議の座組のデザインがあります。そこも紹介します。

■「人数や長さ(時間)はどう決めたらいいのですか?」

参加者がブレストに慣れていない間は、人数は少なめにしましょう。テーマオーナー、ファシリテーター、参加者を合わせて4~5名くらいがいいでしょう。慣れたとしても、6~7人くらいまでが適切です。

また長さは、不慣れなうちはブレストそのものを30分くらいに設定するといいでしょう。たとえば、[全体]を1時間くらいに設定して、最初の[テーマに対する質疑応答]に15分くらい、[ブレスト]が30分、もし盛り上がってアイデアがどんどん出るというのであれば、15分ほど[延長]という感じです。

創造的な作業は、予定よりも伸びるものです。目安は、必要だと考える時間の[1.3倍]ぐらいです。それを織り込んで、所要時間を設定すると、スムーズに運営できます。

※当コラムは著書『使えるアイデアがあふれ出る すごいブレスト』を基に補筆したものです。(出典:01-03:コラム)

石井 力重(いしい りきえ)アイデアプラント
アイデアプラント代表/早稲田大学・奈良女子大学 非常勤講師(デザイン論、創造学)/日本創造学会 任命理事。アイデア創出ツール開発、アイデアワークショップ、創造研修やアイデアの講義、創造技法の研究をしている。東北大学 大学院修了後、メーカー系商社に5年勤務、同大2つの大学院(工学、経済学)博士後期課程にて創造工学を研究後に退学、NEDOフェローとして大学発ベンチャーに3年駐在。2009年にアイデアプラント設立。研修を実施した企業、教育機関は600件以上でのべ2万人以上が参加。開発したアイデア創出ツール「ブレスター」が みやぎものづくり大賞受賞。発想を引き出す専用メモ紙「nekonote」が日本創造学会 学会賞受賞。NHK「おはよう日本」にて「アイデアトランプ」をはじめとする複数の製品が紹介された。著書に『アイデア・スイッチ』(日本実業出版社)、『すごいブレスト』(フォレスト出版)。

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