企業コミュニティ運営者が裏側を語る【BACKSTAGE2023セッションレポート】

企業コミュニティ運営者が裏側を語る【BACKSTAGE2023セッションレポート】
2023年2月9日(木)虎ノ門ヒルズフォーラムにて体験型マーケティングのカンファレンス「BACKSTAGE」が開催されました。

今年は「出会い」をテーマに、さまざまな業界で活躍するプロフェッショナルによる基調講演、出展ブース、そして来場者同士・出展者とも事前アポがとれる“マッチング機能”などバリエーション豊かなラインナップで新たな出会いの場を創出するカンファレンスとして2年2ヶ月ぶりに復活しました。

今回は、会議HACK!編集部が聴講したセッションの様子をレポートします。
目次

BACKSTAGEとは?

BACKSTAGEとは、展示会主催者・企業カンファレンス担当者・PRプロモーション企画者をはじめ、BtoB/BtoC、企業イベント、ブランドプロモーション、スポーツイベント、音楽フェスなど、イベントのジャンルを問わず、リアルの真価、体験型マーケティングの価値の進化・深化を学び、実践者・検討者に、ジャンルレスな出会いの場を創出し、その化学反応を楽しむイベントです。

◆セミナー概要
開催日時:2023年2月9日(木) 10:00〜20:30
開催場所:虎ノ門ヒルズフォーラム
主催:BACKSTAGE 実行委員会
イベントレジスト株式会社月刊イベントマーケティング株式会社ホットスケープ
https://backstage.tours/

◆セミナー内容
・基調講演(12セッション)
・出展ブース
・マッチングシステム、Fireside Chatコーナー、meetupエリアなど

<セッションレポート>企業コミュニティ運営者が裏側を語る

新型コロナウィルスで分断された、社員部⾨の信頼関係構築・超えた交流を⽬的に社内コミュニティを始める企業が増えてきています。今回は実際に企業内コミュニティを運営する3名をお呼びして「企業コミュニティの実際を語る」と題して、何をしているのか、どんな効果があるのか、そもそも楽しいの︖など、コミュニティ運営の裏側をお話いただきました。

写真左から 株式会社INTO THE FABRIC代表取締役 高嶋大介氏 / ソニー株式会社 SA-Linkサブリーダー 松野友樹氏 / 株式会社NTTドコモ ドコモ100人カイギ発起人 泰松遼氏 / 富士通株式会社 富士通100人カイギキュレーター 伊藤まどか氏
「100人カイギ」とは
地域、会社、学校に“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。100人100通りの生き方や仕事ぶりに触れることで、いつもの景色が少し違って見えてくる。2016年から始まったこの活動を全国へ拡げたいとの想いでコミュニティのプラットフォームとして拡大している。『ゲストが100人になったら会を解散する』が唯一のルールで、各コミュニティの色はさまざまである。
https://100ninkaigi.com/

100人カイギを立ち上げたきっかけ

BACKSTAGE 企業コミュニティ運営者が裏側を語る

高嶋:100人カイギをはじめたきっかけを教えて下さい

伊藤:部署の壁を越えた横のつながり、斜めのつながりを求めて立ち上げました。
私自身いくつか部署異動を繰り返しており、自部署内で完結する業務が多い部署に所属している場合、他部署の状況を知る機会もなく、コミュニケーションのきっかけがなかなかつかめないことを課題に感じていました。

高嶋:企業内で働いている分には部署コミュニティが閉鎖的であったとしても仕事上は問題ない気がしますが、伊藤さんはなぜそれを課題に感じたのでしょうか。

伊藤:部署によっては、様々な部署の方との連携が必要になる部署もたくさんあるのですが、初めてお会いする方よりも実際お話したことのある方との方が仕事の進みが早いなと感じていたので、そういう意味でも社内とのつながりを作り出せる企業内コミュニティがあった方が良いのかなと思っていました。

高嶋:イノベーションは狭い見識のなかでは生まれないので、意見や課題を他部署も含め広い範囲から集める必要がありますよね。ちょっとした意見や気づきを気軽に話せる環境や関係性をつくるためにも企業コミュニティをやる必要があったのかなと思います。

それに対して、ドコモでは卒業生も交えて運営されていると思うのですが、なぜこのようなやり方をしようと思ったのかを泰松さん教えて頂けますか。

泰松:そうですね。企業で何か新しい事業をはじめようと思ったときに社内だけでなく外部企業をパートナーとしてやっていくことも多いと思います。そのときにもし相手が自社を理解してくださっている卒業生の方であれば進めやすさも上がると考えていて、そのきっかけになれたらいいなという思いもあり、卒業生を交えて運営することに決めました。

高嶋:様々な企業でコミュニティ活動が活発になってきている中で、アルムナイ(企業の卒業生)だけでやっているケースも多いのですが、そのなかで現役社員とアルムナイを混ぜるというのは面白い視点だなと思います。ただ、一歩間違えると社員の流出に繋がってしまうような気もするのですが、実際やっていてどうでしょうか?

泰松:ポジティブな刺激を受けて外に出ていく、それは仕方のないこと。逆に昔の職場と関わり続けられる機会をつくることで卒業生が戻ってくるきっかけにもなると前向きにとらえています。

100人カイギをやってみてよかったこと / 失敗したこと

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伊藤:私の場合、部署を跨いで仕事をしてきているので、どんどん仕事の相手が変わっていく中で「この前参加しました!」とひとこと声をかけてもらえるだけで共通の話題から入れるのですごく社内の人と話しやすくなったことがよかったなと思っています。

泰松:私は、「社内の交流イベントには参加されないような多忙な方たちが何故かあなたたちの活動には積極的に参加していくれる。どうすればいいのか教えてくれ」と業務でイベントを企画されている方に聞いて頂いた際に、なにかしら価値を出せているのかな、良かったな、というのを感じました。

松野:社内で他のコミュニティを運営している方って意外といて、彼らの運営イベントに一参加者として参加するくらいだとあまり交流が生まれなかったのですが、100人カイギを運営してみてコミュニティ運営者同士のつながりが思い描いていた以上に増えたのは、本当にやってよかったなと思いましたね。

高嶋:面白いですよね。いくつも社内にコミュニティがあって、同じように運営側の苦労を理解しあっているからこそ運営者同士の交流がうまれるという感じですかね。
ちなみに、企業の中でコミュニティをやるときって「これって業務になるんですか?」みたいな話がよくでると思うのですが、皆さんはどのような考え方で運営されているのでしょうか?

泰松:どちらでも捉えられることができると考えていますが、ドコモでは完全にプライベートの仕切りでやっています。

高嶋:松野さんはどうですか?

松野:私のところも完全にプライベートですね。好きだからこそ運営できていると思っています。

伊藤:みなさんすごいですね。富士通でも業務外としてやっていました(笑)

高嶋:それぞれの企業にあったやり方があるということですね。

企業コミュニティ運営者として感じる100人カイギの魅力

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高嶋:普段会社で人と話すときは役割や役職で相手のことを見てしまっていると思うのですが、100人カイギで仕事の話に限らず、自分の思いやプライベートの話をすることで役割や役職から離れて“○○さん”という一人の人として見られるようになりますよね。「うちの会社ってこんな面白い人がいるんだ」ということに気付けると会社に対して愛着が湧くんじゃないかなとお話を聞いていて思ったのですが、社内の人を知ることで自身の意識がどのように変わったか教えて頂けますか?

松野:そうですね、1番変わったのは自分の所属部署を超えたつながりが生まれたことですかね。

泰松:その人の人となりを知ったうえで一緒に仕事をするとその人がなにをモチベーションを感じているかを知れているので、よりスムーズに仕事を進めることできるようになりました。

伊藤:私は完全に社内クローズドでやっていたので、この業務の秘話とかを聞けたりするんですよ。記録に残さないと最初にお伝えしていたのでその場にいた人だけが知れる制作秘話を聞けるのがすごく面白くて、社内にこんなことやっている人がいたんだ!と知れたのはうれしかったですね。

泰松:そうですよね。自社サービスの制作者の思いを知ったうえで製品に関わるようになるとモチベーションが大きく変わりますよね。

伊藤:そうですね。あえて限定感を出してその場に来ない限りは聞けないというのは参加する上でも重要なポイントにもなっていたみたいです。

高嶋:多くのコミュニティは、社外秘などの縛りがあったりして、どうしても言えないことがたくさんあると思うのですが、社内限定のコミュニティということであれば、社内秘話だったり苦労話を共有することもできるので社員同士の仲が深まりそうです。
コミュニティを盛り上げる工夫として伊藤さんのところでは登壇後に登壇者のことを30秒間褒める「Praise time(称賛タイム)」を設けていたということですが、やる前とやった後でなにか変わったことはありましたか?

伊藤:もともとPraise time(称賛タイム)をやろうと思ったきっかけが社内の賞賛が少ないことを課題に感じていたからなんです。社内会議で上司から詰められたり否定されたりすると自尊心が傷つけられてこと自信喪失してしまうことが多いなと思うことが多くて、100人カイギ内では称賛タイムを作ることを決めました。
称賛タイムで送った言葉をあとでまとめてお渡しするのですが、あとから振り返ってみてみたときに自分の励みになって自信がつきましたという声がかなり多かったです。

泰松:思いを起点にしたコミュニティなので登壇者の方は思いを語ってくださるのですが、思いを語るって少し恥ずかしいですし、ハードルがありますよね。そのときに参加者の方から褒めてもらえると話してよかったなと思えますよね。

高嶋:では、失敗したことはありますか?

伊藤:もともと100人カイギはリアルでのネットワーキングがメインだと思っていたのでオンラインでやるべきなのかコロナ禍に入ってから開催方法にすごく悩みました。
オンラインで開催することで顔出しを嫌がる方や発言を嫌がる方が顕著に出てきたんです。積極的に参加・発言してもらうためにどうすれば良いかはかなり悩みましたね。

泰松:失敗したというより難しいなと思ったことで言うと、イベントで終わらないというのは難しいなと感じますね。参加していただいて満足して帰ってもらう。それで終わりで良いのかな、その後の思いを実現するところまで踏み込んで関わっていくべきなのかというのは葛藤することがあります。

松野:私は運営者らしい失敗なのですが、告知が前日ギリギリになってしまったことや、登壇者を毎回5人集めなければいけないので登壇者のアサインに苦戦したこともありましたね。

高嶋:100人ゲストが集まれば解散という終わりがある一方で、20回やるイベントなので単発で終わりでは無くて常に次があるという、追い詰められている感はありますよね。
実際にコミュニティの一体感や変化を感じられるようになったのは何回目くらいからでしょうか?手ごたえなども含めて教えていただけますか。

伊藤:はじめは参加者同士でつながったという話はなかなか聞かなかったのですが、Praise time(称賛タイム)を始めた15回目くらいから全体的にポジティブな雰囲気になりはじめましたね。

高嶋:15回くらい回数を重ねて、取組自体の認知も広がって徐々に変わってきたということですね。泰松さんはいかでしょうか。

泰松:1回目から手ごたえを感じていましたね(笑)集客の面や参加者の皆さんに楽しんでもらえるかが不安だったのですが、終わった後に参加者の方が口コミで広げてくださって自然と登壇者が決まり、参加者もあつまっていったときに、「あ、求められているのかも」と手ごたえとやりがいを感じました。

松野:私は、2,3回目くらいから、登壇者と参加者が個人活動や業務で関わりを持つようになったり、元同僚・先輩後輩社員との語りの場が生まれていたり、予測できないところでつながりが生まれているのを見たときに手ごたえを感じました。

高嶋:想像していなかったことが起きるのはコミュニティの面白いところですね。
では、最後にコミュニティをこれからはじめたいと思っている方に向けてメッセージをお願いします。

伊藤:運営者はまずつながりを広げるところから始める必要があると思うので、知らない人にどれだけ勇気をもって連絡できるかが重要かなと思います(笑)

泰松:はじめるにあたってハードルが高いと感じる方が1番多いのかなと思うのですが、私も社会人2年目ではじめたので皆さんも絶対にできます!まずは初めて見ることをおすすめします。

松野:最初は何かしら既存のコミュニティにお手伝いとして入る形が良いのかなと思います。全体像を把握したうえで自分のイベントをやってみるのがやりやすいかなと思います。

まとめ

自らコミュニティ運営を続けることは予想以上にエネルギーを消費します。
企業内外のいろいろな人たちとつながって、自分の知らないことを積極的に知りたいという方にとって、100人カイギはとても始めやすいコミュニティ活動です。

部署も業務内容も職種も全く異なるメンバーと、100人カイギというプロジェクトを通して関係を築くことは、パラレルキャリアにもつながっていくのではないでしょうか。

「BACKSTAGE2023」は、現在、アーカイブ配信を3月31日まで実施している(一部アーカイブ配信の無いセッションもあり)。
視聴には、「アーカイブ視聴」チケットが必要、「虎ノ門ヒルズ来場用チケット」のある方は視聴可能(チケット・視聴方法は関連リンクまで。https://eventregist.com/e/BACKSTAGE2023 )。

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