テレワークで評価されるための5つのマインドセット【第4回】

テレワークで評価されるための5つのマインドセット【第4回】カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役 片桐あい

新型コロナウイルス感染拡大が止まらない状況で、改めてテレワークを求められている方も多いことでしょう。これまでは汗水たらして働いている様子を見てくれていた上司も、テレワークでは目が行き届きにくくなります。これからご紹介する5つのマインドセットを意識することで、やった仕事を正当に評価されるようになりましょう。

① 「サボっているかも?」と思われている前提で仕事をしよう
「あれ? 電話出ないなぁ~。サボってるのかな?」
「寝てた? 声がガラガラだよ?」
急に電話がかかってきたときに、たまたまトイレ行っていて出られない場合もあることでしょう。また、しばらく誰とも話してなくて、急に出した声がかすれてしまうことだってあります。でも、相手の状況が見えないというのは、そういうことなのです。
いつでもどこでも、オンライン状態をつくるのは難しいことなので、離れていても信頼してもらえるように、離れた相手にも働いていることをアピールしておくことも必要です。たとえば、かかってきた電話にその場で出られなかったとしても、すぐにかけなおす。電話に出られなかった理由を伝えるなど、一言伝えてから要件を受けましょう。
そもそも、そんなことを言われるのは、日頃の仕事のパフォーマンスや勤務状況を信頼されていないからかもしれません。相手を責める前に、二度とそんなことを言われないような仕事の成果を出せるように心がけてください。
信頼されるためには、まずは信用されること。信頼と信用の違いは、信用には担保される何かを相手に渡すことです。それが、仕事の成果です。信用を積み重ねたうえでなければ、全幅の信頼は得られないのです。
② ノンテレワーカーには、最大の配慮をしよう
あなたが今日からテレワークをしようと思ったときに、あなたの仕事を支えてくれる仲間は誰でしょうか?
上司、同僚、後輩、部下、他部署、顧客、協力会社のみなさん。仕事はさまざまなステークホルダー(利害関係者)で成り立っています。
そのすべての人が在宅で働いているのかもわかりませんし、ご自身のコンディションがベストではないかもしれません。また、家族の事情を抱えてくれているかもしれません。つまり、人はそれぞれの状況をかかえながら仕事をしているわけです。仕事はその人の一部であって、その人自身のすべてではありません。
さて、テレワークをする人をテレワーカー、テレワークをしない人をノンテレワーカーと表現します。
特に同じ職場のノンテレワーカーへの配慮が大切です。人にはさまざまな事情があり、在宅で仕事ができない事情の人もいます。そんなノンテレワーカーの人に、会社にいるからといって「資料探して」「○○さんいる?」などと、ノンテレワーカーの人へ負担をかけてはいけません。「ちょっとのお願い」は他の人もしている可能性もあるわけです。
ノンテレワーカーは、テレワーカーの小間使いではありません。ノンテレワーカーが不満をためると、職場の雰囲気が悪くなります。そして、顔が見えない分、その不満には気づきにくくなります。とにかく、自分のことは自分でできる環境を自分で作る人でなければ、テレワーカーになる資格はありません。
相手が見えないだけに、配慮を言葉にしましょう。そして在宅の場合には、家族への配慮もお忘れなく!
③ 「組織への貢献ポイント」をチームで共有しよう
テレワークをしていると、個のゴールを達成することに目がいきがちです。「何のためにやっているのか?」「なぜその仕事をやっているのか?」という、仕事の目的や理由が見えにくくなります。
それは、いままでは仕事をチームでやっていて、そのチームが見えるところにいたからです。しかし、テレワークでチームが離れてしまうと、分割された仕事の一部を自分がこなすという感覚に陥ってしまいがちです。
組織の中でのあなたの貢献ポイントを明確にしましょう。まずは、チームでその仕事の目的(何のためにやるのか)とゴール(それが達成されるとどうなるのか、何が得られるのか、数値的なことも含め)を話し合っておくことが大切です。
そのうえで、自分はそのチームに対してどんな貢献ができるのかを、明確にすることが大切です。貢献をするのであれば、自分の強みがわかっていないと貢献のしようがないため、自分がそのチームで自分のどんな強みが役に立つのかを意識します。
たとえば、全体を俯瞰して見れる人なのか、詳細を見る人なのか? アイデアを出す人なのか、データを整理する人なのか? 図解が得意な人なのか、文書化が得意な人なのか?
このように自分はどんな強みがあり、それが仕事の目的に照らし合わせてどう貢献できるかを意識しましょう。
チームが離れているからこそ、共有しておくことが大切です。他のメンバーにも自分の強みを明確にしてください。近くにいるときには意識していなかった自分と相手の強みを意識することで、離れている相手に対しての貢献が可視化できるのです。
④ 会社や社会から「求められている人材像」を意識しよう
テレワークをしていると、やらなくてはならない作業につい目がいきがちです。一人で仕事をすると、視野が狭くなり、長期的な視点で物事が見られなくなる傾向があります。そうなると、自分にできることを自分の見える範囲でやることに集中するようになってしまうのです。
そうなる前に、自分に求められている人材像を考え、それを意識することが大切なのです。たとえば、リーダーシップを持ってチームをまとめられるような人材とか、変革を推進していけるような人材とか。上司や周囲の人から、自分にどんな期待がかかっているのか、それを考えることで、少し先の未来の自分をイメージすることができます。
そのイメージを求められている人材像と仮置きして、仕事をすることでいまやっている仕事の意味づけが変わってくるのです。また、受け身的に関わってきた仕事を、今度は自分から提案型に変えることもできるかもしれません。そうすることで、自分の影響範囲も広がりますし、仕事の裁量が増えるかもしれません。
「これ、こんな新しいやり方を試してみたいのですが、いかがでしょうか」などとテレワークだからこそ思いいま、どんな人材が求められているのかを考えながら仕事をしていくことが大切です。
たくさん考えても試さなければ意味がありません。社内だけの目線ではなく、「いまの世の中に求められている人材とはどんな人材か」を意識して仕事に取り組んでみましょう。物の見え方が変わってくるはずです。
⑤ 自分を磨き続けるための経験をスキルに変えよう
経験とは、
①実際に見たり聞いたり行動したこと。
②または、そこで得られた知識やスキルも含めた意味。
ぼーっと作業をしているだけでも①は得られますが、②の知識やスキルは身についていきません。テレワークをしている場合も同様です。いままでの仕事のやり方を見直し、テレワークだからこそできる経験を増やし、そこから自分なりの知識やスキルを自分のものにしてください。
スキルとは、再現性のある技術です。スキルがあれば、同じことをしてもうまくいくし、それを他の人が習得すれば同じように再現ができるのです。だから、この仕事で得られるスキルはなんだろう? と、考えながら仕事をすれば、得られるスキルが明確になります。なんとなくうまくいっているというのは、経験を積んではいますが、スキル化したことにはなりません。
テレワークという仕事のやり方は、自分を磨き続けるために必要だと思って、そのための経験を積めば、そこで自分なりのスキルが身につきます。
たとえば、テレワークで離れた部下のモチベーションを維持しながら、成果を出させることができた。
それが、AさんにもBさんにもできればスキルと呼べます。また、自分のスキルを他者もできるようになれば、それも立派なスキルとなります。

※当コラムは著書『これからのテレワーク──新しい時代の働き方の教科書』を基に補筆したものです。
片桐あい(かたぎり あい)
カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー。行動習慣ナビゲーター。人間関係問題解決コンサルタント。サン・マイクロシステムズ株式会社(現・日本オラクル株式会)サポート・サービス部門に23年間勤務。グローバルのプロジェクトで「エンジニアのトレーニングの開発」のためのメンバーに選出され、各国の教育担当とカリキュラムを開発。2012年に独立し、企業研修講師となる。これまで、年間約120件登壇し、約2万5000名の育成に従事。また、人財育成コンサルティングで、延べ3400名の育成にも尽力。著書に『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』(PHP研究所)、『一流のエンジニアは「カタカナ」を使わない!』(さくら舎)、『これからのテレワーク』(自由国民社)がある。
オンラインコミュニケーション35の魔法──リアルのコミュ力も上がる! 』(自由国民社より12月24日発売予定)

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