3つの力を身につける会議【第11回】

3つの力を身につける会議【第11回】人財育成家 沖本るり子

こんにちは。「5分会議」🄬を活用した人財育成家の沖本るり子です。

しばらく「5分会議」🄬を続けて気づいた頃には、コミュニケーション能力も周りを巻き込む力もアップしていることでしょう。今回は、会議を通じて身につく3つの力「伝える力」「巻き込み力」「リスク・危機管理能力」を詳しく解説します。

「5分会議」🄬で身につく伝える力
言葉を削ぎ落とすことが習慣化されます。
相手に話を聞いてもらうには、まずは何が言いたいのかを伝えなければいけません。(詳しくは拙著『期待以上に人を動かす伝え方』をご参考に)。そして伝わる話をするには、言いたいことをすべて網羅する以上に、削る作業が必要です。その点、「5分会議」®は、とにかく発言を短くするルールにし、自然と簡潔に話すようになるしくみになっています。
1回の発言時間は限られていますし、発言はメモ係がすべて記録します。もし長くて的を射ないおしゃべりが続いたら、肝心な点を述べる前に制限時間になるか、メモ係から「一言でまとめて」と指摘されます。否が応でも言葉を削らざるを得ません。
そして何度も繰り返すうちに、どんどん余分な言葉を削ることに慣れてきます。 すると本当に伝えたい言葉だけが残るように。そして最終的には結論を先に言うようになり、スマートなやり取りを自分のものにできるのです。
また、「5分会議」🄬では、2つ以上のチームで行われた場合に、プレゼンテーションを行います。そのプレゼンも枠ができているので、相手に伝わる説明の順序が身につきます。
「5分会議」🄬で身につく巻き込み力
巻き込みの習慣で損失をカバーできた事例です。
「5分会議」🄬を通じて、部署間の垣根を越えた巻き込みに成功した企業があります。第1回でも取り上げた、包装資材メーカーの吉村です。
吉村には物流部門があり、お客様から注文のあった商品の発送管理を手がけています。発送には梱包やシステム入力など、さまざまな作業があります。配送会社が引き取りに来る時間もあるので、吉村も当日発送の受付は15時で締め切っていました。
けれども毎回ではないものの、受付時間を過ぎて「どうしてもすぐに送ってほしい」と相談してくる取引先もいます。物流部門では、それは対応できないと断ろうと考えていました。しかし社内には、その対応に反発する人たちがいました。営業部門です。顧客の期待に応えるべきと考える営業は、物流の判断を受け入れることはできませんでした。ましてや販売のチャンスをみすみす逃すなど、営業にとっては信じがたいことだったのです。
営業の要望を受ける形で、物流部門は受付時間を過ぎてからの発注も、配送会社が来る直前まで対応するようにしました。毎回時間との勝負で、物流部門の社員は必死に準備を進めます。しかし慌てて対応することでミスが起こります。取引先からクレームが入るだけでなく、営業まで「何をしてくれるんだ!」と怒り出す始末。
この状態はまずいと判断し、物流部門と営業部門で対策会議を行うことになりました。
吉村ではすでに「5分会議」🄬を全社に導入していましたから、会議では物流と営業が対立することもなく、活発な議論が行われました
私が話を聞いてとくに印象的だったのが、「時間外出荷」という名前をやめようというアイデアです。言葉から受けるマイナスの印象をまず取り除き、顧客視点を取り込れることで、働く人の意識を変えようというのです。結果新しい名称は、取引先のニーズに応え喜んでもらうために「お客様貢献出荷」となりました。
名前だけではなく、オペレーションも変えました。物流だけですべて対応するのではなく、困ったときは社内のみんなで手伝おうとなったのです。
「困っています」と発信すれば、手の空いている社員がフロアにやってきて発送準備を手伝います。「5分会議」®を通じてチームワークを経験しているため、自然と協力し合う雰囲気が社内に根づいていたのです。
1年後、「お客様貢献出荷」による売上の増加は年間1600万円にも上りました。周りを巻き込むことで、大きな機会損失を埋め、利益をもたらすことができたのです。
「5分会議」🄬で身につくリスク・危機管理能力
全員ですべての意見を批判してみましょう。
「5分会議」🄬では、全員が意見を批判することで、誰も場の空気を壊す存在にはならない、という工夫をしているわけです。
「アイデアのいいところ出し」のすぐあとに、「アイデアの問題点出し」を盛り込んでいるので、全員がそれぞれの案を一度は批判することになります。それが自分の出したアイデアでも、自分が推しているアイデアであってもです。
そして直後に「問題点への対策案」を出すミニ会議を設けているのも、大きなポイントです。対案がなくても問題点に気づいたら指摘すべきだ、と先ほど説明しました。どうすればその問題は回避できるのか、あるいは被害を最小限に食い止めることができるのかを検討してこそ、アイデアは実現可能なものになります。
アイデアのいいところと問題点、そして対策まで一連の流れで考えられるようになれば、日常業務でもリスクを検討するのが当たり前になるでしょう。そして対策もセットで考える習慣づけにより、万が一のトラブルにも慌てずに対応できるようになるのです。

※本記事は『期待以上に部下が育つ高速会議』から抜粋・再編集したものです。

沖本るり子(おきもと るりこ)
「5分会議」🄬を活用した人財育成家。1分トークコンサルタント。株式会社CHEERFUL代表取締役。「人財育成と組織改革」を柱に、企業向けコンサルタントや研修講師を務めており、台湾(労働部)主催の講演会でも登壇した。「5分会議」🄬はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に『相手が”期待以上”に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版)、『生産性アップ!短時間で成果が上がるミーティングと会議』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)、『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)など多数。
株式会社CHEERFUL

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