会議の終了後からが始まり【第10回】

会議の終了後からが始まり【第10回】人財育成家 沖本るり子

こんにちは。「5分会議」🄬を活用した人財育成家の沖本るり子です。

会議は、事前準備よりも、会議終了後からがとても重要です。なぜなら、会議を行うための事前準備より、その会議の目的を達成させることが重要だからです。

議事録完成
「5分会議」🄬では、議事録係を立てません。代わりとなるのが、そう、「メモ係」です。ミニ会議中、交代で懸命にペンを走らせたあのホワイトボードシートが、そのまま議事録になります
会議中の発言がそのまま反映されたシートは、まさに会議の記録そのもの。会議後に音声を聞き直して仕上げたものよりも情報の客観性が担保されており、さらに単語単位でまとまっているので読むのにも時間がかかりません。
やり方は簡単、ホワイトボードシートをデジタルカメラやスマートフォンで撮影します。「アイデア」「いいところ」「問題点」「問題点への対策案」が横一列に並んで1枚に収まればベストですが、分かれていても構いません。
ただ、何がどのシートかわからなくなっては意味がないので、ホワイトボードシートにあらかじめタイトルを入れたり番号を振ったりして、後々整理しやすい状態で撮影します。またミニ会議のホワイトボードシートとは別に、決定事項やアイデアの実行担当などをまとめ、これについてもカメラに収めておきます。
撮影した写真を整理したら、参加者で共有しましょう。整理や管理は会社に合ったやり方で構いません。たとえばサーバーに議事録置き場をつくり、会議の種類や日付でフォルダをつくって格納するなどです。
意見のリサイクル
先ほど投票制度の項目で、「5分会議」🄬のアイデアはすべて、実行を前提に練られたものだ」という話をしました。そのときの会議では最終的に採用されなかったアイデアも、違った条件のもとでは最高のアイデアになる場合もあるのです
選ばれなかったアイデアはその場で捨ててしまうのではなく、蓄積しておくことでリサイクルできる可能性があります。議事録置き場はアイデアの宝庫なのです。ですから議事録は会議の直後だけでなく、企画に行き詰まったときや急なトラブルが起こったときなどにも見返すのをおすすめします。
第1回で紹介した吉村の社長は、写真に撮った議事録の画像をスマホで見返しているそうです。決定事項や参考になるアイデアがたくさん目に飛び込んできて、とても役立つと話していました。それから新入社員に仕事を説明するときも、議事録が活躍します。部署の取り組みの背景や仕事の工程など、関連する議事録を読めば目的や注意点などが一目瞭然です。口頭で説明するだけよりも、流れがつかみやすくなるでしょう。ぜひ議事録を、日ごろの業務にも活用してみてください。
会議の終わりが始まり
投票の得点を集計し、どのアイデアを採用するか決めたら、最後のミニ会議を行います。それが、「決定事項会議」です。会議は、いつ誰が何をするのかという行動計画まで立ててこそ、実行に移せます。そこで、ミニ会議で次のことを議論し、実行を具体化させていきます。
決定事項会議の議題例
❶ アイデア実行の部署や担当者の名前挙げ会議
❷ ❶のメリット出し会議
❸ ❶のデメリット(懸案事項)出し会議
❹ ❸への対策案出し会議
❺ 投票などによる調整
担当者も、ひととおり候補を挙げて議論と検討を重ねて決めましょう。決まったら、決定事項と並べて担当者もメモしましょう。そして、会議のまとめです。全体進行役はホワイトボードシートからいくつかピックアップし、どのようなアイデアが出たか、またそれらの良し悪しを簡単に振り返ります。そのうえで、全体での決定事項を読み上げます。みんなで議論し決定したことを、全員が確認する大事なプロセスです。
会議の最後は、決定事項会議の担当者による「行動宣言」で締めくくります。いつ何から始めるか、具体的な行動をみんなの前で発表してもらうのです。最後に決定事項を撮影し、閉会の言葉と大きな拍手喝采で会議は終了です!
進捗管理を行い、確実な行動を促そう
「5分会議」🄬の「決定事項会議」では、採用したアイデアの担当者と共に、決めてほしい役割があります。それは「進捗管理係」です。この係は、行動宣言をした担当者が、実際に行動を起こしているかを確認する重要な役目を担っています。
これも、誰が担当になっても構いません。「いつ」「誰が」「何をする」を決定事項会議で決めているのですから、それに従って進捗状況を担当者に聞くだけです。
逆に担当者は、進捗管理係に自分の担当業務の進捗状況を報告する義務があります。進捗管理係は状況をとりまとめ、会議の参加者に報告します。報告の仕方はメールでもグループウェアでも、全員に伝わるやり方を採用しましょう。
そして進捗に問題があれば、対策を考えます。そのための「問題解決会議」を開けば、またいろいろなアイデアが出てくるでしょう。思うように進んでいないことで、その人が過度に焦りを感じたり、一人で抱え込んだりしないようにすることが重要です。みんなで決めたことなのですから、力を合わせて改善に努めましょう。
「5分会議」®の準備からアフターフォローまで、順を追って解説してきました。ルールは多いですが、簡単なものばかり。実際やってみると、想像以上にラクにできます。

※本記事は『期待以上に部下が育つ高速会議』から抜粋・再編集したものです。

沖本るり子(おきもと るりこ)
「5分会議」🄬を活用した人財育成家。1分トークコンサルタント。株式会社CHEERFUL代表取締役。「人財育成と組織改革」を柱に、企業向けコンサルタントや研修講師を務めており、台湾(労働部)主催の講演会でも登壇した。「5分会議」🄬はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に『相手が”期待以上”に動いてくれる! リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版)、『生産性アップ!短時間で成果が上がるミーティングと会議』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)、『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)など多数。
株式会社CHEERFUL

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