テレワークでも成果を出すためのヒント【第7回】

テレワークでも成果を出すためのヒント【第7回】カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役 片桐あい

新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中、テレワークをやってみたもののうまくいかないから、やっぱり出社しよう・・・という職場と、テレワークでもうまく仕事が軌道に乗り成果が出ているという職場。二極化が進んでいる印象です。

テレワークがこれからの働き方のニューノーマルであって、さらにワーケーションのようにどこにいても仕事が効率的にできることがネクストノーマルになっていくことでしょう。今回は、リモートで仕事の成果を見せる化していくために必要な考え方をお伝えします。

考える時間と作業の時間を分けて管理して、仕事の質と量を明確にする
一人でテレワークしているときは、考える時間と作業の時間、どちらを多く取りたいですか?
たとえば、一人で集中できる環境が確保できるのであれば、考える時間に充ててもよいですし、わりとザワザワしていて気が散るような環境であれば、細切れにできる作業の方が向いているかもしれません。
集中力が高まり、クリエイティブな仕事をするなら断然お昼前がよいです。そして、ランチ後はどうしても消化のために血液が内蔵に集中するため、脳がお留守になります。ですから、午後3時くらいまでは、人と話す会議や手を動かす作業をすることをお勧めします。必ずしも、考えた時間の分だけアウトプットが出るかというと、そんなことはありませんね? 考えても考えても、アイデアが出てこない場合もありますし、自分の考えを結晶化するには長い時間がかかる場合もあります。そんな日に報告書を書こうとすると、「○○について検討」以上、というような「本当に仕事してたんですか?」と言われかねないレポートになってしまいます。
一人で考えても、考えがまとまらない場合には、誰かに聞いてもらいましょう。「○○の件なんだけど、ちょっと脳みそ貸して」と、言うように、途中までの意見を誰かにしゃべると、自然に整理されてきます。また、他者の視点でもらえたアドバイスが新しい考えを生み出すこともあります。誰かの時間をもらうことに遠慮があるなら、「ちょっとランチの時間15分ちょうだい」とか、「10分チャットに付き合って」というだけでも、いろいろなアイデアをもらえるでしょう。
作業は量です。効率化が大切なので、きちんと段取りをします。まずは、目標設定から行い、必要な準備物を揃え、プロセスを確認し、チェックポイント決めてそれに沿って仕事をします。
結果を確認して、振り返りを実施しましょう。同じ仕事はないかもしれませんが、自分のスキルや経験、能力がどう変化したのかを振り返っておきましょう。テレワークの観点だと作業は報告しやすいため、仕事の成果としては見えやすいです。
反対に、テレワークを考える時間に充てた場合には、費やした時間に対してのふさわしいアウトプットが必ずしも出ない可能性があります。
ここで言う「考える」とは、コンセプチュアル化することです。単に、作業をするための効率化を考えたりすることとは違います。コンセプチュアル化とは概念化することです。たとえば、新しいサービスの立ち上げやプロジェクトの全体像を描くなど、一日中考えてもできあがるようなものではありません。それを、テレワークでやろうとすると、その日の成果が見えにくいのです。
あえて、それをテレワークでしようとするとするのであれば、一人でやろうとせずに会議を開催するなり、ヒアリングで経験者の意見をもらうなり、誰かしらのノウハウを引き出すような行動があるとよいでしょう。
概念化するには膨大なアイデアをできるだけ広げて、足したり引いたり、掛けたり割ったりすることで、最終的に煎じ詰めて結晶化するのです。そして、それには相当の時間がかかりますし、いくらやってもその日のうちに成果が出る保証はないので、やり方を工夫必要です。
量よりも質を求められる仕事には、ある程度の量が必要になることも理解しておきましょう。
テレワークでの仕事は考える時間と作業の時間を分けて管理しておくこと大切です。考えてもすぐに結果が出ないこともあります。また、仕事の質を求められるときには、ある程度の量も必要なのです。
仕事の成果は短期と長期で分けて管理しないと評価されない
仕事の成果を見せるときには、短期と長期で分けて考えることが大切です。テレワークになったからといって、仕事の目的や目標やゴールが変わるわけではありません。テレワークはあくまでも仕事をやるための方法です。
仕事には必ず目的があります。何のためにやっているのか? という理由が目的になります。その目的を果たすために、仕事の目標があります。目標とは目的を果たすために、うまくいっているかを確認するための道しるべです。だから、目標はその基準がわかるようになっていなければ、なりません。また、それに似た言葉でゴールがあります。ゴールは達成の基準なので、必ず数値化されます。サッカーのゴールのように、入った入らなかったのかがはっきりわかることです。
目的は、日本一のサッカーチームになること。
目標は、この試合に勝つこと。
ゴールは3点取ること。
目的は長期的なものです。すぐに目的を達成できることは、目的とは呼びません。でも、目的がないと仕事はただの作業になってしまいます。すべての仕事には目的があるべきですし、その目的は企業理念やビジョンやミッションにつながっているべきです。
目標やゴールに対して仕事がうまくできているか、うまくいっていれば成果がありますし、うまくいっていなければ成果が出ていないことになります。それを短期的に見る場合もあれば、長期的に見る場合もあります。短期的に成果が出続けていれば、長期的にも成果が出るでしょうが、仕事はそんなに簡単に上り調子でいけるとは限りません。上がったり下がったりするドラマがあります。いつも短期的で見るのではなく、長期的なスパンで成果を見ていくことも大切です。
普段はわかっていても、テレワークで一人仕事になった瞬間、短期的な成果に走り勝ちです。上司に見られていない分、無意識にわかりやすい成果を出そうとするからです。上司も同様に、管理しやすいわかりやすい成果を求めます。その方向で仕事をやっていると、大きな仕事の目的を見失いがちですし、組織の理念やビジョン・ミッションなどともズレていきます。
仕事は短期的な成果も長期的な成果もどちらも大切です。
仕事の目的、目標、ゴールは企業理念・ビジョン・ミッションとつながっています。テレワークで一人仕事をしていると、つい短期的な成果に目がいきがちですが、長期的な成果も意識的に狙っていくことが大切です。

※当コラムは著書『これからのテレワーク──新しい時代の働き方の教科書』を基に補筆したものです。
片桐あい(かたぎり あい)
カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー。行動習慣ナビゲーター。人間関係問題解決コンサルタント。サン・マイクロシステムズ株式会社(現・日本オラクル株式会)サポート・サービス部門に23年間勤務。グローバルのプロジェクトで「エンジニアのトレーニングの開発」のためのメンバーに選出され、各国の教育担当とカリキュラムを開発。2012年に独立し、企業研修講師となる。これまで、年間約120件登壇し、約2万5000名の育成に従事。また、人財育成コンサルティングで、延べ3400名の育成にも尽力。著書に『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』(PHP研究所)、『一流のエンジニアは「カタカナ」を使わない!』(さくら舎)、『これからのテレワーク』(自由国民社)がある。
新著『オンラインコミュニケーション35の魔法──リアルのコミュ力も上がる! 』(自由国民社)発売中!

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