上司のタイプ別アピール法【第9回】

上司のタイプ別アピール法【第9回】カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役 片桐あい

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同じ仕事をしていても、自分とは相性がいいと思う人もいれば、なかなか合わないと思う人もいるでしょう。自分に価値観があるように、人にも価値観があります。価値観とはその人にとっての「人生の優先順位」です。テレワークで離れているからこそ冷静に分析し、上司のタイプを見極めてうまく仕事の成果をアピールしてみましょう。上司だけではなく、先輩・同僚・顧客にも使える考え方です。
せっかく上司に仕事の成果をアピールするのであれば、その上司によってアピールするポイントがわかっていると効果的です。
今回は、エニアグラムという9つの性格タイプの特徴と、上司へのアピールポイントをまとめました。
特に上司と離れて仕事をする場合のポイントに絞って記載したので、エニアグラムについて詳しく学びたい方は、拙著「職場の『苦手な人』を最強の味方に変える方法」(PHP研究所)を参考になさってください。
※9つのタイプの特徴と上司へのアピールポイント
タイプ 特徴とアピールポイント
タイプ1
正義の人
【特徴】完璧を目指し、ハードに努力をします。
人にも厳しく、「こうあるべき」という信念が強い。
こだわりが強く、細かいことも気になると重箱の隅をつつくような指摘をすることもある。

【ポイント】資料などは美的感覚を大切にしているため、
些末な部分に対して厳しくチェックする場合もある。
上司の「こうあるべき」という想いを汲んで動くことが大切。
テレワークでは仕事の締め切り前に、
もっとこうしてほしいという完成度を高めるような指示がある場合もあるため、
締め切りの余裕を持って、仕事の完成のイメージを上司と共有しておくことが大切。
タイプ2
貢献の人
【特徴】常に他者のために貢献したいと思っている。
部下に仕事を任せていても、
つい気になって口を出し、手を出すこともある。
行き過ぎるとお節介になってしまう場合もあり、部下が育たないことにも注意が必要。
【ポイント】仕事を任せてもらえたと思っても、
結局は上司自身が役に立ちたいという想いが強い。
仕事の境界線を越えて、あれこれ口を出してくることもあるため、
上司には小まめに報告しその都度感謝を伝えるとよい。
タイプ3
成果の人
【特徴】仕事はスピーディーに進める。
その場その場で判断するため、朝の指示と夕方では指示内容が変わる場合もある。
自分自身も成果をあげて目立つことを好むため、
部下にもわかりやすい成果を求める傾向がある。
【ポイント】上司のペースが速いため、相手に合わせて報連相する必要がある。
一度出した指示が途中で変わる場合もあり、
柔軟に対応することも大切。
上司には、手柄は渡すつもりでマメに成果を報告するとよい。
タイプ4
個性の人
【特徴】考え方も存在自体も独創的である。
当たり前であることには価値がないと思いがちなので、
人をあっと言わせるようなことを求める。
イメージやインスピレーションを大切にするため
思い付きで指示することもある。
【ポイント】平凡な考えや変化のない提案はNG!
上司の突拍子のないアイデアを形にしてあげられるとよいパートナーになれる。
上司の考えについていくためには、なるべく密にコミュニケーションするとよい。
タイプ5
分析の人
【特徴】結論には、確固たる裏付け、根拠がないと受け入れられない。
膨大な情報やデータをインプットするがアウトプットは少なめ。
一つの結論を導き出すのに時間がかかるため、瞬発力には欠ける場合がある。
【ポイント】とにかく結論とその理由や裏付けがロジカルであることが大切。
言っていることの根拠が薄いと、取り合ってもらえないため、提出するものには、
数値化や信頼性のある根拠を提示できるようにするとよい。
タイプ6
信頼の人
【特徴】安心安全が何よりも大切。
常にリスクが頭に浮かんでいるため、石橋を叩いて割ることもある。
与えられた役割を果たし、信頼に応えるために自分なりの努力は惜しまない。
人にも同じように求める傾向あり。
【ポイント】冒険よりも安心を大切にするため、
実績のあるやり方や成功事例にそった方法を好む。
マニュアル化や役割分担決めなど、
誰がやってもうまくいくような仕事の仕方を意識してアウトプットするとよい。
タイプ7
楽観の人
【特徴】何をするにも、常に楽しいことが大切である。
ムードメーカー的な存在で、周囲を明るく楽しい雰囲気づくりができる。
思い付きであれこれ楽しい企画を出すが、飽きっぽいので最後までやり切ることは苦手。
【ポイント】思い付きやひらめきを大切にするが、
それを実行しやり切ることが難しいため、
そこをうまくサポートできるとよい。
文字ではイメージが伝わりにくいため、オンライン会議などで情報収集が必要。
タイプ8
力の人
【特徴】言葉はストレートで白黒ハッキリするような態度を取る。
身内を守り、外部の人には強く出る場合もある親分肌なところがある。
自分の力を誇示するようなところがあるので、駆け引きはしない。
【ポイント】上司の懐に入ってしまうとうまくいく。
外に対して自分の強さを誇示したいので、上司の力を頼ってよい。
上司が交渉するために必要な情報を、
コンパクトにわかりやすくまとめて渡せばうまくいく。
タイプ9
平和の人
【特徴】争いごとは好まず、組織内のバランスを取りたい。
決断することが苦手で、結論は先延ばしにしがちである。
職場の雰囲気や会議の雰囲気など居心地がよい状態を好み、そのために尽力する。
【ポイント】常に職場のバランスを気にしているので、
雰囲気が壊れるようなことは好まない。
急激な変化を避けて、何とかなると楽観視することもあるため、
判断のために必要な情報は早めに正確に提出するとよい。
これだけの情報で上司のタイプは特定できない場合もあるでしょうが、複数のタイプが当てはまる場合には、複数のアピールポイントを試してみてください。
9つのタイプの性格によっても、何を成果にアピールするのか真逆のタイプもあります。自分が良かれと思って、1日かけて作成した文書やプレゼンが相手にとって的外れになってしまうことは残念です。
会って話せる時ときに、上司の求めている成果は話し合っておく必要がありますが、離れて仕事していると、どうしても独りよがりなアウトプットになりがちです。
上司用に書きましたが、ご自身のタイプも当たりをつけてみることも有効です。上司と自分にどんなギャップがあるのかがわかれば、上司に合わせて仕事の成果を見せることもできるようになるでしょう。

※当コラムは著書『これからのテレワーク──新しい時代の働き方の教科書』を基に補筆したものです。
片桐あい(かたぎり あい)
カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役、産業カウンセラー、キャリアカウンセラー。行動習慣ナビゲーター。人間関係問題解決コンサルタント。サン・マイクロシステムズ株式会社(現・日本オラクル株式会)サポート・サービス部門に23年間勤務。グローバルのプロジェクトで「エンジニアのトレーニングの開発」のためのメンバーに選出され、各国の教育担当とカリキュラムを開発。2012年に独立し、企業研修講師となる。これまで、年間約120件登壇し、約2万5000名の育成に従事。また、人財育成コンサルティングで、延べ3400名の育成にも尽力。著書に『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』(PHP研究所)、『一流のエンジニアは「カタカナ」を使わない!』(さくら舎)、『これからのテレワーク』(自由国民社)がある。
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