セミナーの成功とは、「セミナーを開催する目的を達成すること」です。
しかし、数多あるセミナーの中には、開催目的がはっきりしないまま漠然と開催されているセミナーもあります。このような状態で開催しても、成功したかどうかは曖昧なままです。また、開催目的にそぐわないターゲットばかり集まってしまったセミナーは、いくら予想を大幅に超える参加者が集まったとしても、成功とはいえないでしょう。
自社が開催するセミナーを、本来の目的に沿った形で成功させるには、企画段階からしっかり内容を詰めておく必要があります。

セミナーの目的を明確にする
セミナーを開催するときは、初めに「自社の目的」をしっかり考えましょう。企画段階で自社にとってメリットがないことがわかったときは、そもそもセミナーを開催する必要はありません。なお、セミナー開催の目的には、次のようなものがあります。
・自社の知名度を上げて新規の見込み顧客を確保する
・自社の顧客満足度を高める
・自社のサービスに興味を持ってもらう
・セミナーのチケット代金による収益を上げる
最終的な「ゴール」をどこに設定するかは、セミナー開催前に必ず決めておくべきでしょう。
目的に合うターゲットを設定する
セミナーのターゲットは、「既存顧客」と「新規顧客」、そして「見込み顧客」に分けることができます。
- ・既存顧客
- すでに取引きを行っている顧客です。既存顧客がターゲットとなるセミナーでは、今後も継続して自社と付き合いを持ってもらうことを前提に、商品やサービスへの理解を深めてもらったり、周辺サービスの紹介を行ったりするなど、利用の幅を広げてもらうことが目的となります。
- ・新規顧客
- 今後、自社の顧客になりそうな見込みのある参加者を集めたい場合は、まったくのゼロから集客を行う必要があります。それだけ高い集客力が求められますが、参加者が増えれば自社のサービスを広く知らしめ、見込み顧客のリストも増強することができます。
- ・見込み顧客
- 新規顧客の中でも「自社サービスの利用を検討している方(会社)」を指します。過去に開催した自社セミナーの参加者も、このカテゴリーに含めて良いでしょう。
これらの顧客のうち、どこにターゲットを定めるかを考えることが大切です。その上で、さらに「年代」「立場」「性別」などによって詳細なターゲットを設定し、それに合わせてセミナーの内容を検討するといいでしょう。
参加者にとっての利益について考える
いくら自社にとって大きな利益のあるセミナーでも、参加者にもメリットがなければ、人を集めることはできません。そこで、セミナーに参加することで参加者にどのようなメリットがあるのか、参加者目線で考えてみる必要があるのです。
「気になっていたサービスの詳細を知ることができる」「有名な講師の話を聞ける」「新たなビジネスチャンスを得られる」「仕事のアイディアや人脈が得られる」など、参加者が魅力を感じ「このメリットを享受したい」と思える価値を持たせましょう。また、参加者向けに「自社製品の割引きや無料体験」「軽食をサービスする」など、わかりやすい付加価値をつけることもひとつの手段です。
企画に合った講師を定める
講師は、自社で用意する場合も、よそから招く場合もあります。企画を固め、ターゲットの絞り込みができたら、その内容に精通した講師を選定するようにしましょう。講師選びのポイントは、肩書や経歴を読むだけで「この人の話を聞きたい」と思われるような講師を据えることです。また、そのジャンルの第一人者やメディア露出の多い人、有名人など、ネームバリューの高い講師を招けば、それだけで「参加したい」と思う人を増やせるでしょう。もちろん、著名な人ほど「多忙」且つ「高報酬」ですが、企画が良ければ、交渉のテーブルについてくれる可能性は高まります。
このように、セミナーの企画や内容、講師は、目的やターゲットによって大きく変わります。まずは、開催予定のセミナーの「立ち位置を明確にする」ことから始めましょう。