会議室、快適ですか?空調管理の必要性

会議室、快適ですか?空調管理の必要性

社内の空調管理は、仕事への集中力を高めるためにも大切です。これは執務エリアだけでなく、会議室でも同じです。会議に集中できる環境を作ることが、会議の効率化やアイディアの創出に役立ちます。温度や湿度、においが気になって、議題に集中できないことがないよう、快適な環境を作りましょう。

目次
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職場の空調の基準とは

会議室に限らず、職場の空調は、労働安全衛生法の事務所衛生基準規則5条3項で、「事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない」と定められています。

また、同4条には、「事業者は、室の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない」「事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りでない」という規定もあります。
このように、職場の温度や湿度は、この基準を考慮した上で、適切に保たれる必要があるのです。

会議室の空調の重要性

会議室が暑すぎたり寒すぎたりすると、暑さや寒さに意識がいき、会議に集中しづらくなってしまいます。また、部屋が乾燥していると、喉がカラカラになってしまったり、発言する際にしゃべりづらく感じたりすることもあるでしょう。反対に湿度が高すぎる場合も、暑さを感じやすくなり、不快感が高まります。このような環境では、気持ちを会議だけに向けることが難しくなり、いいアイディアも浮かびにくくなってしまうでしょう。

余計なことに気を取られることなく、会議に集中するためには、快適な環境づくりが大切なのです。会議室の環境の重要性については、下記の記事の中で、ルールのひとつとして紹介しています。
>>眠くならない会議にするための10のルール
(ルール6 部屋の温度は上げすぎず、換気をしておく)

快適に仕事をするための室温の適温とは?

冒頭で紹介した「職場の空調基準」の項目では、事務所衛生基準規則により、空調は17℃~28℃の間に設定するよう定められていると説明しました。確かに、省エネの観点からも夏場などはよく、「エアコンの設定は28℃に!」と耳にしますよね。
しかし、実際には28℃だと涼しいとは感じませんし、逆に冬の17℃設定も現実的ではないように思います。では仕事をする上で、熱すぎず寒すぎずという、いわゆる「適温」とは何度くらいなのでしょうか。

仕事をする上での人にとっての適温
国内で、室内環境を専門とする温度計・湿度計メーカーの「株式会社クレセル」によると、室温の快適ゾーンは18℃~24℃、湿度については40%~60%が適当だとしています。

このことは、ヘルシンキ工科大学とローレンス・バークレー国立研究所の共同研究でも結果が出ており、室温が25℃から1℃上昇するごとに、2%パフォーマンスが低下することがわかっています。
また、湿度については、35%を下回ると乾燥によるドライアイなどで事務作業の効率が下がり、逆に湿度が70%を超えると、疲れやすくなってパフォーマンスが低下するという実験結果も出ているようです。(早稲田大学理工学部総合研究センターによる実験)

一方、米コーネル大学でおこなわれた研究では、室温を20℃から25℃に上げると、パソコンのタイピングミスが44%減少したという結果がでました。これは、年間を通して温暖な気候で知られる米フロリダの、あるオフィスで実験されたものです。暑いからと温度をさげすぎてしまうのも、作業効率に影響することが立証されました。

これらをまとめると、外気温との差や人による体感温度の違いがあるとはいえ、室温は年間を通して、22℃~24℃くらいに設定するのがよいのかもしれませんね。
室温以外にも注意
会議室の環境を整える際は、室温や湿度だけでなく、音やにおいにも注意する必要があります。
会議室の隣で工事をしていたり、隣の部屋の音が聞こえたりするような環境では、なかなか落ち着いて話し合いができません。これと同様に、空調機器の調子が悪く、異音がする場合や稼働音がうるさい場合も、会議効率は下がってしまうでしょう。

また、空調機器はこまめに手入れをしないとカビが発生することもあります。こうしたカビは、アレルギーの原因になるだけでなく、嫌なにおいの原因にもなります。執務エリアとは異なり、打ち合わせなどでしか使わない会議室ですが、定期的にメインテナンスをして、空調機器の状態を正常に保ちましょう。

会議室の空調を見直そう

会議室の空調に問題がないかどうかは、実際に利用している人に尋ねるのが一番確実です。会議室をセッティングした時点では問題がないように思われても、長く利用しているとだんだん音がし始めたり、温度調節がうまくいかなかったりすることもあります。会議室を使っていて不快に感じることがないか、時々利用した人に確認してみるといいでしょう。

貸し会議室などの外部施設を使用する際も、会議室の空調設備は、事前に確認しておかなければならないポイントです。部屋ごとに個別の空調管理ができるか、空気清浄機や加湿器が設置されているかなどをチェックしておきましょう。

利用時に「寒すぎる」「暑すぎる」といった問題が出ないようにするためには、事前準備が肝心です。できるだけ事前にその場にいくようにして、空調管理や設備の状態を見ておくと当日のトラブルを避けることができます。

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