スポンサーの募集も一括で?最新ツールを駆使した効率の良いイベント集客とは【成功するイベント・セミナーの作り方 第5回】

スポンサーの募集も一括で?最新ツールを駆使した効率の良いイベント集客とは【成功するイベント・セミナーの作り方 第5回】

イベント専門のコンサルティング会社ホットスケープの代表 前野さんに聞く「【初心者必読】成功するイベント・セミナーの作り方」第5回目テーマは「イベント集客のポイントやヒント」です。

第2回ではイベントの目的を明確化することの大切さをお話ししてもらい第3回では企画書・計画書の書き方を、第4回では会場の選び方を教えてもらいました。

【成功するイベント・セミナーの作り方 第2回】そのイベント、何のためにおこなうの?イベント企画の際に最も重要なポイントとは
【成功するイベント・セミナーの作り方 第3回】企画書はラブレター?イベントの魅力が十二分に伝わる企画書・計画書の作り方
【成功するイベント・セミナーの作り方 第4回】会場が公表しているキャパ数を疑え?失敗しない会場選び、手順と考え方をご紹介

ここまでくるとイベント本番まであと一歩!なのですが、イベントの集客はうまくいっていますか?

対象者は全員必ず参加するというタイプの社内イベントなら特に問題はないでしょうが、参加が任意の社内イベントや社外の人をたくさん招く大きなイベントでは、当日人が少なくてがらがらだったらどうしよう…という不安がつきまといますよね。
今回は前野さんに集客のポイントやヒントを聞いてみましょう。

目次

集客の際もイベントの目的を意識して

――一口にイベントの集客といっても、その手段はイベントの種類によりますよね。どんなイベント集客にもいえること、共通して考えるべきことや気をつけたいことはありますか?
これまでの「計画書の書き方」でも「会場選び」でもいっているのですが、イベント計画の始めに設定した目的やゴールに立ち返ることが必要です。
わかりやすい例でいうとたくさんの企業がブースを構える大きな展示会。自社のブースに寄ってもらおう、名刺をたくさん集めようと、高価なノベルティをばらまいたとして、その方法で集まる名刺にはどれほどの意味があるでしょうか?来場者数や名刺の数ももちろん大事ですが、自社の製品やサービスに全く関心がないのにノベルティ欲しさに渡された名刺を回収し整理する時間と手間は本当にもったいない。もちろん、ノベルティそのものにもお金がかかりますから、トータルするとかなりのコストが発生することになります。
それならば、思い切ってノベルティは用意せず、自社の製品やサービスに本当に興味を持ってくれた人だけをブースに招き入れ名刺交換をしたほうが、その後の商談成功率も高いかもしれません。「ブースに立ち寄ってくれた人の数」「獲得した名刺の数」など目先の数字にとらわれることなく、「自社の製品やサービスの良さを伝える」「展示会後に商談に行ける見込み顧客を増やす」など、出展の目的に合わせた集客方法を選びましょう。
このように展示会に出展する理由は何なのか、つまりイベントのゴールは何なのかを突き詰めていくと、対象にしたいお客さんとそうでない人を分けることができます。ターゲットに合わせて、イベントの魅力の伝え方を考えましょう。
ポイント
  • 目先の数字を追うのではなく、改めてイベントの目的やゴールを思い出すこと。
  • イベントのターゲットに合わせて集客の方法を考えてみる。

ウェブでの集客において便利なツールとは

――前野さんの会社ホットスケープもセミナーなどのイベントを開催していますよね。どのような集客方法が有効でしょうか?便利なツールなどはありますか?
EventRegistなど、告知と参加申し込み・受け付けの両方ができるウェブサービスは便利ですね。機能は限られますが無料でも使うことができるサービスもあります。
参加費や入場料を取らないイベントでも、ウェブで事前に参加申し込みを受け付けることで、当日の参加者数がなんとなくよめますし、受付の手間を大幅に省くことができます。QRコードのチケットも発行できるので、チケットの印刷や郵送などの手間が省けるのです。
――ITツールの活用で効率性を高めることができますよね。ウェブ上でのチケット発行について、どのような工夫ができるのでしょうか?
有料イベントの場合は、アーリーバードチケットを作るのもおすすめ。先着何名様まで通常の何パーセントオフの価格で購入できます、といったものです。プログラムが決まっていない段階で「ゲストや内容はまだ公開できませんが、それでも申し込んでくれる方にはお安くします」というチケットを作るのもいいでしょう。イベント開催者にとっては企画が完成する前から参加者を集めることができ、参加者にとっては安くチケットが買えるという、両者Win-Winのアーリーバードチケットのアイデアです。
またEventRegistなどのウェブサービスでは、クーポンコードを使って招待枠や割引枠を作ることも可能です。次回もまた来てくれそうな人やイベント情報を広めてくれそうな人、購入や成約の見込みが高い人などには積極的にクーポンコードを送りましょう。次回以降の参考にするためにも、どのような条件の人にいくつ招待枠・割引枠を設けたかということはきちんと把握してください。
――主催者にも参加者にもメリットのあるチケット発行の方法、ぜひとも取り入れたいです。前野さんはさらに、スポンサーの募集までおこなってしまうアイデアをお持ちなのだとか…
チケット発行機能は何も参加者だけに向けたものではありません。うまく使えば簡単なスポンサー募集だってできるのです。
例えば「セミナーの休憩中に配るコーヒーのスポンサー」というチケットを作り、コーヒー提供に必要な金額をチケット額として設定。当日、コーヒーを配る前に提供社名をアナウンスしたり、配布場所にロゴ入りの看板や宣伝ポスターを置いてあげたりするなど、イベントの種類や会場に合わせて工夫しましょう。このようにアイデア次第で、集客と参加者管理はぐっと効率よく、そしておもしろくなります。
ポイント
  • ウェブでの集客はアイデア勝負。
  • 効率性を高めつつ、主催者と参加者双方にとって便利でお得なチケットやプランを考えてみること。

イベント集客におけるSNS活用のメリットとは

――レジストレーションツール以外のことも教えてください。SNSなどはどうでしょうか?
SNSももちろん有効活用できますよ。Facebookページなどでイベントの情報を小出しにしていくのはおすすめの方法です。
一度に多くの情報を与えるよりも、情報を少しずつ追加していくほうがファンやフォロワーとの接触回数を増やすことができます。そして、これもアーリーバードチケットと同じ考え方ですが、イベントの全ての企画が決まってから告知を始めるよりも、決まったことからどんどん情報発信していくほうが、早くから参加者を集めることができます。
――SNSを使って集客するメリットにはどんなものがありますか?
イベントの周知や集客において、SNSのよいところは2つ。
1つ目は、参加者が転職や独立などで会社が変わっても、つながり続けていられること。新しい名刺をもらう機会がなくメールアドレスがわからなくなっても、SNS上でアプローチをすることができます。
2つ目は、イベントに参加したかったができなかったという人にも、そのイベントや次の開催の情報を発信できること。参加の意思はあったが日程が合わなかったという人は、次のイベントの参加可能性が高い人です。次回の開催まで積極的にアプローチを続けましょう。
また、少し話は変わりますが、参加者が各自のSNSでそのイベントを勝手に広報してくれるような仕掛けを作るというのも大事なポイントです。参加申し込みが完了したときの画面がおもしろいとか、当日の会場にインスタ映えのするコーナーがあるとか、撮影がOKのステージイベントの場合どの席から撮られてもわかりやすく見えるよう工夫されているとか…
このように参加者が思わずシェアしたくなるような情報や映像を用意することも集客の1つといえるでしょう。
ポイント
  • SNSのメリットはつながり続けていられること。
  • 情報は早くから少しずつ提供し、見た人が拡散したくなるような仕掛け作りも忘れずに。

さすがイベントのプロ前野さん、集客といってもただ漠然と人を集める方法ではなく、どうすれば参加しやすくなるか、参加したくなるかという人間の心理をとらえたヒントが目白押しでした。

告知の際の内容(文章など)にお悩みの方はぜひ第3回の記事の「企画書はラブレター その内容エレベータピッチできますか?」なども参考にしてください。
企画書を作るときのポイントは、チラシやSNS投稿でのイベント告知においても活用できることが多くあります。

参加者が集まり始めたらいよいよ本番!次回は「運営とは?運営マニュアルの意義と作り方」について、お伝えします。
どうぞお楽しみに!

取材協力:前野 伸幸(まえの のぶゆき)
株式会社ホットスケープ 代表取締役。
27年前の独立起業当初より、多くの大手企業からのミーティング・インセンティブ・各種セミナー・イベントを直接受注。企画・進行・運営をワンストップで数多く手掛けている。
その一方で、イベント施設・会議施設のコンサルタント・運営でも多くの実績を残す。「虎ノ門ヒルズフォーラム」のコンサルタントを自らが担当し、さらに「六本木アカデミーヒルズ」も加えた両施設の運営・管理業務も受託。また宮崎の「フェニックス・シーガイア・リゾート」のコンベンションセンターのリニューアルにて、マーケティングリサーチから発注先選定・機材選定や営業戦略策定まで広域にわたるコンサルティングを担当。
施設を貸し出す側と施設を利用する側の双方の立場で経験を積み、そのノウハウを活かして活躍中。
http://www.hotscape.co.jp/

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