プレゼンのプロが実践している、練習方法【第8回】

プレゼンのプロが実践している、練習方法【第8回】すごいプレゼン代表 松永俊彦

皆さんこんにちは。すごいプレゼン、代表プレゼンコーチの松永俊彦です。

皆さんは、プレゼンの練習をすることがあると思います。思い返してみてください。そのとき、具体的に何をしていますか? 当然といえば当然なのですが、練習の方法によってスキルの定着速度も成長速度も大きな差が生まれます。スポーツのコーチや監督が代わるとなぜ結果が変わるのか?というのと同じですね。
にもかかわらず、実際に行っているプレゼンの練習内容を伺うと、
・原稿を暗記する
・時間を測って話してみる
等の練習方法しか出てこないのが現実です。今回は、具体的にどのような練習を行うのがいいのかについて、プレゼンのプロの視点から皆さんにお伝えしていきたいと思います。この練習を取り入れることで、プレゼンスキルの向上に役立ててください。
プレゼンの練習は、以下の3つのステップで構成されます。
①ストーリーラインの暗記
②シャドーの録画
③演出の追加
順番に説明していきます。
①ストーリーラインの暗記
まず、よく言われる間違いとして、
A:原稿は一語一句全て暗記しなければならない
B:原稿は、暗記する必要はない
という2つの考え方があります。
じつは、どちらも正しくありません。すべて暗記する必要はないですが、一方で暗記なしではまったく話すことができません。正しく言い換えると、「プレゼンのストーリーラインを暗記する」という表現がしっくりきます。ストーリーラインとは、プレゼンを構成する最もシンプルな物語の道筋のことを言います。わかりやすいように、桃太郎の昔話をイメージしてみてください。みなさん、恐らく桃太郎のお話を話すことができると思います。しかしそれは、正しい桃太郎の物語と一語一句同じかといえば、そうではないはずです。それでも、桃太郎を話すことができます。
なぜでしょう?
それは、ストーリーラインを記憶しているからです。
①昔、おじいさんとおばあさんがいた
②おじいさんが山へ芝刈りに、おばあさんが川へ洗濯に行った
③おばあさんが川から流れてくる桃を発見し、持ち帰った
④中から男の子が生まれたので、桃太郎と名付けた
⑤桃太郎は悪さをする鬼を退治しに行くことを決意した
⑥きび団子をもって鬼退治に出発した
⑦鬼が島へ向かう途中、犬、猿、キジを味方にした
⑧鬼と戦って勝った
⑨村に平和が戻った
これがストーリーラインです。これだけ覚えていれば、大事なことは伝えられますし、話が途中で浦島太郎になることもありません。
これと同じように、あなたのプレゼンにもストーリーラインが存在します。プレゼン資料を紙芝居だと思ってください。順にめくりながら、あなたがストーリーラインを話していくと一連のお話が完成します。余計な枝葉をすべて捨てて、最もシンプルな物語にしておきます。そして、これを暗記するのです。
このときに大切なのは、「プレゼン資料の内容や流れもすべて暗記すること」です。いちいちスライドを見ながら、スライドを読みながら行うプレゼンでは、聞き手を引き込む話などできません。
次にクリックしたら、何のスライドが出てくるのか? そのスライドが出たときに自分はどのストーリーを伝えるのか?何も見ないでこの一連の動作ができるようになるまで、徹底的に繰り返します。このときはまだ、実際に立ちあがる必要も、大声を出す必要もありません。ぶつぶつとつぶやきながら、ストーリーラインと、資料をセットで暗記しましょう。
②シャドーの録画
次に行うのは、本番と同じ条件に近づけた状態で実際にプレゼンを行い、録画することです。本番でマイクを持つのであれば、実際にマイクをもってプレゼンの練習をします。右手で持つのか、左手で持つのか、どう持つのかまですべて事前に設計します。
表情、姿勢、声の大きさ、スピード、動作、視線、すべてを事前に決めて、本番さながらに何度もプレゼンを行い、必ず動画を撮影して自分で確認を行ってください。このとき、自分の動作や話し方に癖がある場合は徹底的に削っていきます。
よくある話し方の癖は、「えー」「あのー」「えーっと」「そのー」などがあります。これは聞き手にとって邪魔なノイズとなりますので、意識して直しましょう。よくある動きの癖は、「腕をぶらぶらする」「足がふらふらする」「股間を隠す」「無意味な動作を繰り返す」などがあります。誰かに動画を見てもらって、気になる癖がないかについて意見をもらうのも大変効果的です。
ちなみにプレゼンの内容ですが、ストーリーラインはすでに覚えているはずなので、そこに枝葉をつけながら話していくことはそれほど難しくありません。途中の細かい話は忘れても、ストーリーラインさえあればまったく恐れるに足りません。逆に話の枝葉がなく、すっきりとメッセージが出せるのでわかりやすい話になってよかった、くらいの気持ちで構わないです。
③演出の追加
こまでの練習を何百回と繰り返すと、目をつぶってもプレゼンできるくらい体がプレゼンを記憶します。すると、当日に対してまったく不安がなくなるのでプラスαの演出を追加する余裕が出てきます。
たとえば、
・導入で笑いを起こして場を和ますためにどういったネタを仕込んでおこう
・途中で聴衆に質問を振る時に、どのあたりの席の人に答えてもらおうかな
・印象的なクロージングのネタを仕込んでおこう
こういった、プレゼンをより効果的にする演出を追加します。特におススメしたいのが、「プレゼンの導入をどのように始めるか?」という部分です。プレゼン全体の印象や、聞き手の興味関心を引き付けるのが導入です。ここで聞き手に「何やら面白そうだ」と思われれば、そこから先のプレゼンが相当やりやすくなります。逆に、「つまらなそうだ」と思われたら聞き手は下を向き、顔を上げることはありません。
練習の段階で以下のようにオープニングトークを決めて練習しておきます。
「はい、皆さんこんにちは! 本日お話させていただきます松永俊彦です! 好きなマンガはスラムダンク、好きな言葉は夢と挑戦!どうぞよろしくお願いいたします(笑)! 本当は自己紹介でお伝えしたいことが20分くらいあるんですけどね、今回お時間なんと10分しかないということで(笑)。ありがとうございまーす(笑)。このままでは自己紹介すら終わらないですからね、早速始めていきましょう。今回お話させていただきたいテーマはこちら、プレゼンテーションの極意です。終わるまでには、自信をもってプレゼンができるコツを持ち帰っていただくことができます。しっかりついてきてください」
プレゼンがうまい人は、即興ですべて対応しているように見えますが、実際には緻密に計算しつくされた演出をさも急に思いついたかのように演じているのです。プロはアドリブすら計算しています。このことはしっかりと覚えておいてください。
以上の3つが、プレゼンのプロが実践している、練習方法です。ぜひ皆さんもプレゼン前の練習で、こちらを取り入れていただきたいと思います。徹底的にやりつくした練習は、あなたに強い自信を与えてくれます。
※当コラムは著書『感動させて→行動させる エモいプレゼン』を基に補筆したものです。
松永俊彦(まつなが としひこ)
すごいプレゼン代表。プレゼンコーチ。塾教師として入社初年度から生徒支持率95%以上という驚異的な成績を誇り、多くの生徒を地域トップ高校をはじめとする難関校合格へと導いた。学力だけにとどまることなく人間力を成長させる指導は生徒、保護者から絶大な支持を得た。その後、教師育成だけにとどまらず、ビジネス領域の一般企業研修、営業指導領域でもHPPMの効果を実証し、セミナーや研修を通じて世の中に輩出したプレゼン生徒数は1500名を超える。著書に『感動させて→行動させる エモいプレゼン』(すばる舎)がある

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