コアメンバー以外は外から貢献=A+Cブレスト

コアメンバー以外は外から貢献=A+Cブレストアイデアプラント代表 石井力重

大人数を小さい集団に分ける「3人ブレスト」というアプローチのほか、ブレストの際にメンバーを2種類の立場「参加(A)」と「貢献(C)」に分ける、というアプローチもあります。「Cメンバー」が投稿したアイデアが、「Aメンバー」のブレストに役に立つ、という構造をしています。

実施の手順を、詳しく紹介します。

STEP 0. 『ボード』を作成、共有(事前:10分)

ファシリは、『ボード』を作成します。『ボード』とは「共同編集状態にしたWord」か「Googleドキュメント」かあるいは、その他の「オンライン共有ファイル」のことです。「Aページ」と「Cページ」というタイトルのページを作っておきます。アクセス用のURLを、メンバーに通知します。

STEP 1. お題の説明(5分)

プロジェクトメンバー全員が、ビデオ会議システム(ZoomかTeamsかその他の会議システム)にログインします。テーマオーナー(ブレストのテーマを持ち込む人)がブレストのお題を紹介し、全員でそのお題について理解を深めるためのディスカッションをします。「このテーマってどういうこと」「アイデアはこの範疇までいいのか」など。

STEP 2. 「Aメンバー」の調整(2分)

テーマオーナーは、3人に、このままビデオ会議システム上でブレストする「Aメンバー」としての参加を依頼します。選び方は「テーマとの相性」や「メンバーの資質」を念頭に置きつつ、テーマオーナーの独断で結構です。「今回のテーマの専門的に○○さん、お願いできますか」とか「発想の飛躍も欲しいので□□さん、入ってもらえますか」 といった感じで声掛けします。あるいは、意欲のある人の立候補もありです。

STEP 3. 1人発想(5分)

各自に「1人で発想する時間」を取ります。

STEP 4. ブレスト(30分)

「Aメンバー」:会議システムの中で、口頭でのブレストをします(アイデアはファシリが「Aページ」に書き留めますので、喋りっぱなしで結構です)。ブレストしていく中で、ネタ切れしてきたら、『ボード』の「Cページ」を眺めて、着想の材料を得るのも良いでしょう。

「Cメンバー」:独自に考えたアイデアは『ボード』の「Cページ」に書きます。

「ファシリテーター」:「Aメンバー」のアイデアをボードに書き込みます。また、発言しようとして喋れるタイミングがつかめないでいる「Aメンバー」に気づいたら水を向ける感じです。「Aメンバー」のブレストが停滞してきたら「Cページ」から適宜アイデアを紹介します。「今、出しているアイデアに関連しそうなアイデアとして、こんなのもあります」「アイデアの方向性が変わりますが、面白い案がありました」といった感じで。

※当コラムは著書『使えるアイデアがあふれ出る すごいブレスト』を基に補筆したものです。(出典:DL章:A-03、A-04、A-05)

石井 力重(いしい りきえ)アイデアプラント
アイデアプラント代表/早稲田大学・奈良女子大学 非常勤講師(デザイン論、創造学)/日本創造学会 任命理事。アイデア創出ツール開発、アイデアワークショップ、創造研修やアイデアの講義、創造技法の研究をしている。東北大学 大学院修了後、メーカー系商社に5年勤務、同大2つの大学院(工学、経済学)博士後期課程にて創造工学を研究後に退学、NEDOフェローとして大学発ベンチャーに3年駐在。2009年にアイデアプラント設立。研修を実施した企業、教育機関は600件以上でのべ2万人以上が参加。開発したアイデア創出ツール「ブレスター」が みやぎものづくり大賞受賞。発想を引き出す専用メモ紙「nekonote」が日本創造学会 学会賞受賞。NHK「おはよう日本」にて「アイデアトランプ」をはじめとする複数の製品が紹介された。著書に『アイデア・スイッチ』(日本実業出版社)、『すごいブレスト』(フォレスト出版)。

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