会議の効率化を図る方法とは?先駆者からの具体的なアドバイスも紹介

会議の効率化を図る方法とは?先駆者からの具体的なアドバイスも紹介

会議には、複数人による意思決定や情報共有、アイディア出しといった、さまざまな目的があります。関係者が一堂に会することで課題をすみやかに解決できるほか、参加者の士気を高める効果も期待できるでしょう。
一方で、「開催すること自体が目的化した、会議のための会議」「ダラダラと続き、結論が出ない会議」といった無駄な会議が参加者の時間を奪い、ほかの業務の進捗を妨げている事実も多いようです。

会議の効率化は、業務全体の生産性を高めるためにも、早急に取り組むべき課題といえるでしょう。この記事では、会議を効率化するための具体的な方法について、業務効率化の先駆者たちのアドバイスとともに解説します。

目次

会議の効率化が必要な理由

会議の効率化が必要な理由

会議の効率化は、会議に費やす無駄な時間を減らし、生産性を上げるために必要なことです。慢性的な人手不足の今、限られたリソースで最大限の成果を出せる体制づくりは、あらゆる企業にとって喫緊の課題でしょう。働き方改革の推進により長時間労働が是正され、「終わらないなら残業すれば良い」時代でもなくなりました。
しかし、実際の現場では、むしろ不要な会議が増えて業務時間を圧迫していることが多いようです。

コロナ禍で広まったテレワークによって社員同士のリアルな接点が減った企業では、定期的なウェブ会議で「あえて雑談の時間を作る」ことにより、社員の孤独感の解消や連携の強化を図るケースが増えています。こうした取り組みには、家にいながらにして社内のメンバーとの交流が図れるメリットがある反面、雑談のための時間をわざわざ捻出することで業務時間が削られるというデメリットも…。
従来なら、オフィスですれ違うときに交わされていた軽い雑談や、ランチや飲み会などの場で自然と深まっていた業務外の交流が「ウェブ会議」として業務時間内に開催されることで、労働時間が延びるケースも少なくないのです。

会議が効率化することによるメリット

無駄の多い会議が改善されないまま、継続している現場もあるようです。特に、「定例会議」と銘打たれた会議の中には、「定例で開催すること」に重きが置かれ、主題が明確でないまま慣習的に行われている会議が少なくありません。

多くの参加者がいるにもかかわらず1人に発言が集中している、議題に直接関わりがない人が招待されているなど、開催の仕方や参加者の選定に疑問符がつく会議を漫然と継続していることも、長時間労働の助長につながると考えられます。
こうした「残念な会議」を効率化すると、主に下記のようなメリットが期待できます。

<残念な会議を削減するメリット>
・会議の回数が減ることでほかの業務に時間が回せる
・1回の会議の精度が上がる
・会議関連の資料作成などの作業が削れる

残念な会議になりがちな要因

ここからは、残念な会議が起こってしまう理由について考えてみましょう。その要因は大きく、下記の3つがあります。

残念な会議になりがちな要因
会議の目的が不明確
残念な会議になる大きな要因は、会議の目的が定まっていない、あるいは参加者全員の間で目的が伝わっていない状態で会議が行われていることです。
本来、会議は何らかの議題があるときに関係者が集まり、話し合いを通じて最終的な意思決定をするために開催されるものです。
例えば、「新規事業の是非について話し合い、取り組むか否かを決める」「新しい会社のビジョンについてアイディアを出し合い、5つ程に絞り込む」といった目的があらかじめ示されていれば、参加者は会議における自分の役割を理解して出席し、建設的な意見交換をすることができます。
しかし、こうした前提がないまま定例的に開催している会議は、メールで済むような連絡事項や情報共有の場になりがちで、わざわざ時間を割いて集まる必要性が低いと感じる参加者も多いかもしれません。
メンバーの選定に問題がある
会議のメンバー選定が適切でないことも残念な会議につながります。会議の議題と目指すべきゴールが定まっていても、参加者の選定に問題があると残念な会議になってしまいます。
特に、立場的に発言権や決定権がない社員が参加していると、ファシリテーターが話を振るたびに話が停滞してしまうこともあるでしょう。決めるべき議題との関係性が希薄なのに発言力と決定権だけはある社員が参加している場合も、独断専行で話が進んで会議の体を成さない可能性があります。
時間が長い
会議の時間が長すぎることも、残念な会議になってしまう要因のひとつです。議論が白熱して時間が延びるのはある程度やむをえないですが、進行管理が不十分で延々と会議が続くのは避けたいところです。
意見が平行線のまま繰り返している、話が脱線して戻せないといった状況が続き、ファシリテーターも機能していないといった状況の多い会議は、残念な会議といえるでしょう。

今日から実践できる!会議効率化のコツ

会議の効率化の重要性と、効率化することによって得られる効果、無駄な会議が生まれる要因について紹介しました。
ここからは、今日から実践できる会議効率化のコツをご紹介します。さらに、「スマート会議術」でインタビューした、先駆者たちによるアドバイスも抜粋していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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会議前の準備編
会議が始まるまでに、参加者に会議の目的を伝え、進行がスムーズにいくよう工夫しておきましょう。具体的にやるべきことは下記の4つです。
・アジェンダを作成する
アジェンダとは、スケジュールや実施計画を意味する言葉です。会議においては、開催日程や目的、話し合いが予定されている議題などをまとめた文書を指し、会議を招集した人やファシリテーターを務める人によって作成されるのが一般的です。あらかじめアジェンダを共有しておくことで、参加者の当事者意識を高めるとともに、議題の偏りや漏れをなくすことができます。
・ファシリテーターを決定する
ファシリテーターは、中立的な立場で会議を進行する司会者のような役割を果たす人のことです。さまざまな立場の人が参加する会議では、社歴や肩書きなどによって立場に強弱が生まれやすく、発言の偏りにつながることがあります。
あくまでも会議の進行をリードする立場で議論を促したり、公平に意見を整理したりするファシリテーターを置くことで発言のムラをなくし、会議をスムーズに進めることができるでしょう。

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・参加メンバーを厳選する
会議の目的を再確認し、本当に参加する必要がある人だけを招集しましょう。アジェンダをもとに、意見を求めたい部署や担当者を整理すると、参加者を絞り込むことができます。
会議の中で最終的な結論を出したいときは、決定権を持つポジションの人を招集しておくことも大切です。
・会議環境を整える
ウェブ会議のシステムや、資料を共有するためのITツールなどを活用することも、会議の無駄を減らすことにつながります。
内容に応じてリアルな会議とウェブ会議を使い分けたり、ハイブリッドで開催したりすることで、遠方の人や多忙な人も参加しやすくなります。また、クラウドストレージ、グループウェアなどで事前資料やアジェンダを共有すれば、紙の資料を作成する手間が省けます。

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<先駆者からのアドバイス>
会議の準備は人間関係の構築から!

良い会議は「次」が見えている【スマート会議術第175回】

新卒でトヨタ自動車株式会社の新車開発エンジニアとして勤務後、経営コンサルタントとして活躍し、著書に「トヨタの会議は30分」がある山本太平氏の「スマート会議術」は、「人間関係の構築から会議の準備を始めること」。

山本氏は「何のための会議かが明確でない会議は無意味」と断じ、個々人が会議の目的を把握してから参加することの重要性を述べています。会議の目的を知るには、主催者に直接聞いたり、自分の役割ややるべきことを予想して働きかけたりする行動が欠かせません。
しかし、主催者が上司や先輩の場合、反感を買わずに立ち回るのは容易ではないでしょう。そこで重要なのが人間関係の構築です。相手とのあいだに信頼関係があれば、「この会議は何のためにやるのですか」「次はこれについて話し合うということで認識は合っていますか」といった働きかけをしても角が立ちません。
「会議は30分」は、会議以外の時間を上手に使って人間関係を構築してこそ実現できるのです。

会議進行編
会議が始まったら、冒頭で会議のゴールを示しましょう。会議のゴールには、議論のゴールと、時間的なゴールがあります。議論のゴールは、議論によって導き出される結論ではなく、今回の会議の最終的な着地点のことです。
例えば、「議題Aについて、何らかの回答を出す」「参加者全員がアイディアを出し切り、次につなげられる納得した状態まで持っていく」など、今回の会議を終わらせるラインをあらかじめ決めておけば、議論の道筋を描きやすくなるでしょう。
時間的なゴールは、会議を終わらせる時刻のことです。会議の終了時刻が決まっていない、あるいは決まっているけれども簡単に延長できてしまうといった場合、タイムテーブルどおりに進める意識が希薄になり、会議の脱線や堂々巡りを招きます。会議を開始する時点で終了時刻を明確にし、時間内に議論を収めて結論を出す意識を持ちましょう。

<先駆者からのアドバイス>
状況・行動・影響という観点から整理して相手に伝えることを意識する

集まって何かをするという会議の発想をすべて捨てる【スマート会議術第117回】

NECのグループ会社で働き方改革、テレワークの推進プロジェクトリーダーを経験し、プロノイア・グループ株式会社ではコンサルタントとして人事制度設計・組織開発コンサルティング、企業研修、セミナーなどを行う星野珠枝さんの「スマート会議術」は、「状況・行動・影響の3つの観点で話を整理して伝えること」。

自分でも何がわからないのかがわからないまま会議に入ると、発言の機会が巡ってきても考えを明確に言語化することができず、ダラダラ会議の原因になってしまいます。
そこで、部下の報告を受ける上司が常に「状況・行動・影響」の3つの観点から話を聞きだすようにすると、部下も3つの観点から話を整理する習慣がつき、会議でもスマートに発言できるようになるといいます。
まずは、日常的な仕事における会話の仕方、情報の整理の仕方、言語化の仕方から変えてみましょう。

<先駆者からのアドバイス>
「ズレた意見」をそのままにして進めない

会議の迷走につながる「5つの落とし穴」とは【スマート会議術第108回】

HR Design Lab.代表 兼 株式会社博報堂コンサルティング執行役員で、プロフェッショナルファシリテーター、ファシリテーター内製化コンサルタントとしても活躍する楠本和矢さんのスマート会議術は、「ズレた意見をそのままにしないこと」。

ファシリテーターが投げかけた問いを無視して自己主張を始めたり、段取りを無視してアイディアを出したりする人がいたら、放置しないことが会議の迷走を防ぐコツです。
ファシリテーターが「今、何を議論するのか」を明確にして会議に臨むこと、ズレた発言をした相手が目上の場合は「タイミング」と「表現」に配慮して話を本筋に戻すのが重要です。

会議後のまとめ編
会議後は、できるだけ早く議事録を作り、全体の流れを見直しましょう。
議事録を読むと、会議の冒頭から終わりまでの流れや、参加者ごとの発言頻度、話が錯綜したきっかけなどをつかむことが可能です。議事録を参考に無駄を省いて、会議をブラッシュアップしていきます。

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会議を効率化し、ビジネスの時間を有効活用しよう

会議で意見を出し合うことは非常に重要です。しかし、運営に難がある会議は、そのほかの業務にも大きな影響を及ぼすことになりかねません。「会議のための会議」「ダラダラと結論のない話をし続ける会議」は効率化の最大の敵です。
今回ご紹介したコツや先駆者の知恵を参考に運営方法を見直し、限られた時間を有効に使ってみてはいかがでしょうか。

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