
何について話し合うのかがすぐにイメージできるテーマであれば、事前準備がしやすく、当日の話し合いもスムーズに進められるというもの。結果として、作業効率のアップにもつながります。
そこで今回は、テーマの決め方や話し合いを効率的に進める方法など、ミーティングに役立つノウハウについて紹介します。
目次
ミーティングのテーマ(議題)を決める3つのポイント!

ミーティングと聞くと、多くの人は真っ先に「どんな内容だろうか?」と思うのではないでしょうか。そのため、テーマから内容をイメージできるかどうかが、有意義なミーティングにするための第一歩といっても過言ではありません。
では、これからミーティングのテーマを決める3つのポイントについて解説します。
- 具体的かつシンプルに
- ミーティングが円滑に進まない原因のひとつとして、参加者がテーマについてよく理解できていないことが挙げられます。テーマが明確でなくても、ミーティングが始まればそれなりに進行するだろうと思うかもしれませんが、それは間違いでしょう。
- 事前にテーマがはっきりと提示されていれば、参加者は入念に事前準備をすることができます。しかし提示されていない場合、準備不足となり、活発な議論を交わすことができません。
- せっかくミーティングをしても発言者が限られ、多くの参加者はただじっと聞いているだけ……。こんな状況に陥らないためにも、テーマはできるだけ具体的かつシンプルにしておく必要があります。「~について」のような漠然とした表現ではなく、「~の原因は?」や「~の改善策は?」というように、内容や方向性がイメージできるような表現にしましょう。
- 疑問形で問いかける
- ミーティングをおこなうにあたって、テーマを疑問形にするのもよいでしょう。問いかける表現であれば、テーマを見聞きした人は「何について、どうすればよいのか」を、自然に頭の中で考え始めるはずです。
- 何について問われているのかわかりやすいため、当日もディスカッションがしやすくなります。
- 目的とゴールを明確に
- 何のためのミーティングなのか、「○○に向けて結果を出したい」「〇〇の問題解決のため」などのように目的を明確にすることで、無駄な話し合いをせずにすみます。
- さまざまな意見が飛び交うミーティングでは、議論が別の方向へそれてしまう可能性もあります。それまで気づかなかった問題点が浮かび上がることもありますが、ゴールが見えないミーティングだと、内容が定まらずにグダグダになりやすい傾向にあります。
- 「今回決める項目はこれ」というゴールをあらかじめ設定しておき、浮上した別の問題については、後日改めてミーティングの機会を設けるようにしましょう。
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話し合いの方法は4通り

テーマについて議論し、今後の策を見つけるために開かれるミーティングですが、議論の内容によってはベストな話し合いの手法が変わることをご存知でしょうか。
一言にミーティングといっても、テーマにマッチした手法で話し合わないと結論を導き出せません。ミーティングには大きく分けて4つの方法があります。これからそれぞれのポイントについて確認していきましょう。
- 自由討論型
- 自由討論型は、ひとつのテーマに対して自由に話し合う手法です。明確な答えのないテーマについて、より多くの意見やアイデアが欲しいときに向いているでしょう。
- その場で結論を出すことが目的ではないため、それぞれが意見を述べることやチームワークを重視して進行します。
比較的自由に発言できるこの方法を上手く進めるコツは、まず誰かが意見を述べている最中に割って入るようなことはせず、きちんと最後まで話を聞くことです。そして自分が発言するときは、何をいいたいのかがきちんと伝わるよう、結論・根拠の順で述べるようにしましょう。 - 討論型のミーティングは長引く傾向にあるため、進行役のファシリテーターをおいて話し合うのがおすすめです。
- ディベート型
- 賛否両論あるテーマについて、賛成派・反対派に分かれて議論を交わす手法です。2派に分かれて話し合うため、自己主張の押しつけ合いとなり、収拾がつかなくなってしまうことも珍しくありません。
- ミーティングをスムーズに進めるには、感情的にならない、根拠を明確にして論理的な発言をする、ということが重要になります。
- 選択型
- 「商品A、B、Cの中で不要と思うものは?」のように、複数ある選択肢の中からひとつを選ぶ、もしくはランキングを決めるために話し合う手法です。ありがちなのは、なかなか合意に達せず、最終的に多数決で解決してしまうことでしょう。
- これではミーティングの意味がなくなってしまい、参加者も納得できないものとなってしまいます。なぜそれを選ぶのかという理由と、選ぶ判断基準についてあらかじめ明確にしておくべきでしょう。
- 課題解決型
- ある課題について、解決法を話し合いながら導き出す手法です。ミーティングを効率よく進めるには、話し合うものごとの順序を決め、時間配分に注意をはらう必要があります。
- また、課題解決にあたっては決めなければならない事柄が多いため、事前に個々の考えやアイデアをまとめておく必要もあります。そのため、ミーティングの事前準備として、参加者全員による当日のアジェンダ共有は必須条件といえます。
会議の効率化に必須!アジェンダの作成の仕方

アジェンダとは、会議の進行予定表です。なぜ会議にアジェンダが必要かというと、あらかじめ進行内容を知ることで会議を効率的に進行できます。テーマや目的以外に会議のおおまかな流れを把握できると、事前準備もスムーズになります。
- アジェンダの必須項目
- アジェンダは大雑把すぎず細かすぎず、わかりやすい内容にしなければなりません。アジェンダ作成に必要な項目は、次のとおりです。
- ・開催日時
・場所
・参加者
・会議名
・テーマの順番とおよその時間
・配布資料 - ほかにも、議事録作成者やファシリテーターなどを適宜追加しましょう。
- アジェンダ作成の注意点
- 多くのテーマを詰め込みすぎると会議時間が足りなくなってしまうことがあります。また、多くの議論が錯そうして「大切なことは何も決められなかった」ということにもなりかねません。
- そのため、会議の主宰者など関係者で相談し、テーマを適切な数に絞る必要があります。参加者にアジェンダを共有する前に、テーマの数や時間配分に無理はないか、見直しをおこないましょう。
- また、アジェンダはどちらかといえば会議に向けての事前準備をするために必要な資料です。そのため、アジェンダの作成および共有は、当日ではなく数日前におこなってください。
- テンプレートの例
- アジェンダの作成について、テンプレート例を紹介します。インターネット検索すればさまざまなフォーマットを取得することができますが、ポイントを押さえておけば、自分で作成するのも手間ではありません。
- 【〇〇会議のアジェンダ】
作成日:2020年〇月〇日
作成者:営業部〇〇太郎 - 会議名:「〇〇〇〇〇」
会議の目的:○○と△△についての簡素化を図る
開催日時:2020年〇月〇日(〇)9時30分~12時
開催場所:本社第1会議室
参加者:〇〇、△△、××
ファシリテーター:〇〇
議事録作成者:△△
配布資料:「〇〇提案資料」「要件定義書(一部抜粋)」 - 議題1:〇〇〇について共有事項の確認 9時30分~10時
議題2:△△△についての問題点と課題の抽出 10時~11時
議題3:×××について解決策の検討 11時~12時
メモ: - アジェンダ作成のポイントは、議題ごとにかかるおよその時間とテーマの内容を明確に書くことです。そうすることで、議論がダラダラと続いたり、内容がテーマの主旨からそれてしまうといった事態を避けることができます。
まとめ
「ミーティングは面倒だ」「どうせ何も決まらない」と感じているなら、テーマの決め方やミーティングの進め方に問題があるのかもしれません。
ミーティングを生産性のあるものにするために、まずは事前準備を大切にしましょう。目的を明確にし、参加者がイメージしやすいテーマにするだけでも、議論の濃さが変わってくるはずです。
これまでのミーティングのテーマはどうだったのか、話し合いはスムーズに進んでいたのかなど、上記を参考に今一度振り返り、今後の改善に役立ててみてはいかがでしょうか。