
そもそもミーティングはどういうもので会議とはどう違うのか、どういう流れで進めるものなのか、基本知識を一通り解説していきます。
ミーティングとは?行う目的、必要性

複数の人が集まって話をするという点では、ミーティングも会議も同じ。しかし、なんのために集まるのかという目的の部分が違います。
会議とは人々が会して議することで、結論や方針を決定することが目的になります。会社のなかで経営方針を決める集まりを取締役会議と呼ぶのは、意思決定のための話し合いだからです。
- ミーティングは「共有」を軸に開かれるもの
- 一方でミーティングの場合、なにかを決めることではなく、情報や気持ちの共有を図ることが目的になります。
たとえば新しいプロジェクトの立ち上げにあたってキックオフミーティングを開きますが、目的はなにかを決めることではありませんよね。プロジェクトが発足する背景、このメンバーが選ばれた理由、プロジェクトリーダーの想い、プロジェクトの期間やゴールなどを共有するためにキックオフミーティングは開かれるものです。
仕事で話し合いをもつ目的は、決定事項を導くだけに限られるわけではありません。情報共有にはミーティング、フランクな相談には打ち合わせなど、目的に応じて話し合いの場を使い分けることがスムーズな業務進行に必要です。
会議やカンファレンスとの違いは?
会議という日本語を英訳すると、meetingのほかにconferenceという単語も出てきます。ともに広い意味では会議なのですが、どこに違いがあるのでしょうか。
一番わかりやすいのは、参加人数の違いになります。ただし参加者何人までがミーティングで、それ以上がカンファレンスと言えるような明確な線引きはありません。一般的には十数名程度までの少人数で行うのがミーティングで、ホテルの大宴会場を借りて開催するような集まりがカンファレンスと呼ばれています。
そのほかカンファレンスには、「学術的」というニュアンスが含まれることも。たとえば病院で患者さんのことを話し合うときは、少人数でもミーティングではなくカンファレンスと呼んでいます。
進行にあたって覚えておきたい、基本の流れやルール

会議とは違って、情報を共有することが目的のミーティングの場合、参加のハードルを上げたり場の雰囲気を堅苦しくしたりしない工夫をすることが大切になります。具体的には、以下のようなグラウンドルールを参加者が理解し実践するとよいでしょう。
・人の話を最後まで聞く
・基本的に人の話を否定しない
・否定につながる話は代替案とセットで行う
・一回の発言は1分以内にする
安心安全な場をつくるためには、声の大きい人だけが発言しまくり、勇気を振り絞って発言した人を否定するという状況を避けなければなりません。そのために上記4つのルールが役立つはずです。
- リーダー用のルールを設けるのもアリ
- ミーティングにおいてはどの参加者よりも、リーダーの立ち居振る舞いが場の雰囲気に大きな影響を与えるものです。そこで下記のようなリーダー向けのルールも用意しましょう。
・腕組みをしない
・リーダーの人はすぐに発言せず10秒待つ
本人は無意識でやっていることですが、自信に溢れている人ほど他人の話を聞いているとき謙虚に頭を垂れるのではなく、腕組みをして上を向いていたりします。こういう態度をとられると、話をしている側はあまり気分がよくないので止めましょう。
また発言者の言葉が終わると同時に別の言葉で言い換える、要約するリーダーも散見されます。これではリーダーのペースでミーティングが進んでしまうので、リーダー以外の参加者の発言を促すためにも、「リーダーの人はすぐに発言せず10秒待つ」ルールが有効です。
スムーズなミーティングのためのポイント
定めたミーティングのグラウンドルールは、参加者全員が常に確認できるよう、ホワイトボードや壁面に貼ったり書いたりしておきましょう。失敗をおそれずに発言することを歓迎するという意味では、全員が一回は発言をするというルールをつけ加えてもよいです。
こうしたグラウンドルールを徹底するために、可能ならば直接ミーティングには参加しないファシリテーター役の人をアサインできればベターです。
ミーティングの目的を理解して、うまく自社で活用していこう
なにかを決定する以前に、情報を共有したりフランクに意見を出し合ったりする場として、ミーティングの存在はビジネスシーンで重要な役割を果たします。会議とミーティングの違いをよく理解して、上質な意思決定に結び付けるためにミーティングを日々の仕事のなかで上手に活用していきましょう。